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1000世帯アンケートでわかった、生活困窮世帯が今一番困っていることは…? ~全国各地のこども宅食利用者に調査~ 「新型コロナウイルスの影響に関するアンケート」結果

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新型コロナウイルスの感染拡大により、経済活動の自粛が長期化し、休業や解雇を余儀なくされる企業が急増する中、経済的な困難を抱えるご家庭はより深刻な状況に置かれています。

一般社団法人こども宅食応援団は、これまでも全国各地の支援団体と連携しながら、経済的に困窮する家庭へ定期的な食品の配送を通して見守り支援を行う「こども宅食」の立ち上げ支援・ノウハウ提供を行ってきました。

この度、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、さまざまな生活課題を抱える子育て世帯にどのような影響が出ているかを把握し、支援ニーズを明らかにするため、「新型コロナウイルスの影響に関するアンケート」(以下「本アンケート」)を実施しました。

全国各地のこども宅食運営エリアから計1,015件の回答が集まり、回答者の約8割が「生活が苦しくなった」と回答、84.3%が支出増など、家庭への深刻な影響がある一方、ほとんどの家庭が行政・地域の支援メニューを利用できていない実態が明らかになりました。

こうした中、各家庭が深刻な状況に陥る前に、食料品の配送を通して各ご家庭と積極的に関わる「こども宅食型」の支援の重要性がますます高まっています。

新型コロナウイルスの影響に関するアンケート 概要

実施期間:5月11日(月)~5月24日(日)
実施対象:京都府京都市「京都こども宅食プロジェクト」、長崎県長崎市「つなぐBANK」、熊本県ひとり親家庭福祉協議会 「てとてとて」、宮崎県都城市「らしくサポート」利用世帯の保護者
総回答数:1,015

【回答者属性】
●回答者1,015名のうちの85.5%が世帯年収300万円未満、77.4%がひとり親世帯で、大半を占める

アンケート結果サマリ

コロナ禍において生活が苦しくなり、家庭内のストレスが高まっている一方で、家庭に必要な支援が十分に届いていない現状が明らかになりました。

1. 回答者の約8割が、「生活が苦しくなった」と回答

「総じて、コロナ禍以前の生活と比較して、生活満足度はどのように変化しましたか」という問いに対し、回答者の約8割(79.5%、807人)が「とても苦しくなった/苦しくなった/やや苦しくなった」と回答しました。

2.コロナ禍では8割以上の家庭で「支出増」、生活に最も大きなダメージを与えており、20%以上支出が増えている家庭が6割を占める。自由回答では食費の負担を訴える声

「コロナウイルスやその感染予防策(一斉休校など)が現在の生活に与えた影響について、あてはまるものをお選びください。」の問いに対し、「支出が増えた(増える見込みになった)」との回答が最も多く、「ややあてはまる/あてはまる」で8割を超え、84.3%(856人)。世帯年収300万未満の家庭では86.1%とやや高くなります。収入の減少よりも、支出の増加が家計に特に深刻なダメージを与えていることが分かりました。

また、「支出が増えた(増える見込みになった)」に「ややあてはまる/あてはまる」と回答した人について、「どの程度支出が増えたか、大体の割合を教えてください」という問いには、「20~40%程度増加した(37.1%、272人)」と答えた人が4割近くで最も多くなり、ついで「40%~60%程度増加した(24.3%、178人)」。これら2つで6割以上を占めます。

普段月20万円で家計をやりくりしているご家庭の場合、「20~40%の支出の増加」はひと月あたり4~8万円の支出の増加を意味します。

児童扶養手当の増額など、公的な支援が急がれます。

<自由回答に寄せられた声>

「小学生の給食が無く、高校生に弁当を作らない分の昼食代がかなり負担になっています。コロナ前の、当たり前の日々に、早く戻ってほしいです。」

「仕事がなく、生活するにもお金はもう限界がある。支払いもできなくなり、学校にも定期代もどうしたらいいかわからなくなってます。これ以上続けば、家もなくなり、家族で路頭に迷います。」

「生活費がそこをついて、今、給料日まで我慢の日々を送ってます。」

「収入が減ったのに、毎日の食費は驚くほど増えて、現金がないのでクレジットで払い、手当てなどで払うという生活でしたが、来月は家賃も払えないと思います。情けないです。子どもを満足に食べさせられないし、光熱費も払えるかわかりません。」

「家に子どもだけがいる時間が増え、ご飯等を用意して仕事にでかけるが、食費がかかりすぎて、どんどん食卓が貧相になってしまう。早く、仕事も学校も普通に戻ってもらいたいし、国の支援策も予想以上に遅いので困ります。」

3.全体の約半数が、家庭内でこどもに怒ったり、叱ったりすることが増えたと回答。手を上げることが増えた人も出てきている(8.8%)。

「ご自身とお子さんとの関わりについて、あてはまるものをお選びください。」という問いについて、全体の約半数が「こどもに怒ったり、叱ったりすることが増えた」に「あてはまる/ややあてはまる(49.7%、504人)」と回答しました。

また、「こどもに手を上げることが増えた」に「あてはまる/ややあてはまる」と回答した人も全体の8.8%(89人)おり、休校・休園の長期化や生活課題の増大により、家庭内のストレスが高まっている現状が伺えます。
米国やフランスなど諸外国では既にコロナ禍におけるDVの増加も報告されており、国連もその危険性を指摘しています。

<自由回答に寄せられた声>

「自分の親の(実家の)片付けの不安も大きく、子どもが宿題をしていると言い全然していな
かった時、一瞬ですが殺すんじゃないかと思う瞬間がありました。疲れているんだと思います。」

「子どもとの関係がうまく行かず、毎日がつらい」

「子ども達が一日中家にいて、家中散らかしたり汚したりするので、家事の負担と苛々が増えて困っている。」

「子どもたちに対して、怒る回数が増えて、笑顔で接することが少なくなってきた。
仕事も休みになり収入も減って何をするにも我慢の生活。」

「子どもとの時間を作りたくてもなかなか、時間が作れなかったり、仕事の疲れからか、つい、子どもに八つ当たりすることもあります。」

「娘も心身共に疲労して居るようで、急に泣き出したり感情的になったり…不安定になってます…(T_T)」

「どこにもストレスを発散させることもできず、いつ爆発するかもわかりません。」

4.行政の窓口や民間の食糧支援サービスなど、既存の支援メニューのほとんどを現在利用していない

こども宅食を利用する世帯は、その多くが経済的な困難を抱えているものの、既存の支援メニューのほとんどを利用しておらず、支援が本当に必要とする人に届いていない現状が明らかになりました。

「支援があることを知らない」、「知っていても窓口まで行けない」、「周囲の目が気になり、なかなか利用できない」等、様々な要因が考えられますが、生活課題が増大する中で困難を抱える親子が孤立するリスクはますます高まっています。

調査レポート詳細を公開します

本アンケートの調査レポートの詳細な結果は、以下URLよりご覧ください。
(対象地区:京都府京都市/長崎県長崎市/熊本県/宮崎県都城市)
https://hiromare-takushoku.jp/COVID-19
※発表資料等でご使用の際には、弊会の取材申込フォームに使用用途を記載の上お知らせください。また、引用元として『一般社団法人こども宅食応援団「新型コロナウイルスの影響に関するアンケート」』を併記いただきますよう、お願い申し上げます。
https://hiromare-takushoku.jp/req


今回の調査で、様々な生活課題を抱えるご家庭が一刻の猶予もない深刻な状況に陥っていること、食費などの支出負担が重くなり、家計を圧迫していること、そしてご家庭の多くが生活上の課題を抱えながらも支援先とつながっていない状況にあることが浮き彫りになりました。

「こども宅食」は、こうした困難を抱えるご家庭へ食料品などを定期的に配送することにより、各ご家庭と積極的な関わりを持ち、困りごとをヒアリングし、リスクが高まる前に適切な支援に繋ぐよう働きかける「アウトリーチ型」の支援です。

新型コロナウイルスの影響で経済状況の悪化が続く中、こうしたアウトリーチ型の支援は、今後さらに重要度が高まっていくと考えられます。

こども宅食応援団では、今後もこども宅食の立ち上げを希望する団体に資金の助成やノウハウの提供などの立ち上げ支援をすることで、「こども宅食」の支援の輪を全国に広げていきます。
また、今回の調査のように定量的な調査を行っていくことで、困難を抱えるご家庭が本当に必要としている支援を把握し、届けていきます。

現在こども宅食応援団が連携して始まったこども宅食は、全国9地域15団体。

着々と広まっているこども宅食ですが、全国にはこども宅食を必要としている親子がまだまだたくさんいます。

こども宅食応援団の活動運営費は、ふるさと納税を通じた全国の皆さんからのご寄付によってまかなわれています。
是非ともご支援のほど、よろしくお願いいたします。

▼親子のSOSが見落とされない社会をつくる。命をつなぐ「こども宅食」を全国に広げたい
https://www.furusato-tax.jp/gcf/2265

 

 

※「こども宅食」は登録商標です。
プレスリリースはこちらから

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