経済的に厳しい家庭に食品を届けながら見守る「こども宅食」を全国に拡げる活動をしているこども宅食応援団が、新たに立ち上げ支援をした奈良県吉野町のこども宅食「もぐハグ便」(運営:社会福祉法人 吉野町社会福祉協議会)が6月25日、初回配送を実施します。
全国にあるこども宅食実施団体の中でも先進的に開始し、様々な地域が参考にしている宮崎県三股町の「みまたん宅食どうぞ便」の松崎亮さんがアドバイザーとして加わりながら立ち上げを行いました。
社会福祉協議会(社協)の間で草の根的にこども宅食が広がりつつある宮崎県以外で、社協によるこども宅食は、全国で初めての事例となります。
吉野町のこども宅食「もぐハグ便」を実施するのは、社会福祉法人 吉野町社会福祉協議会です。社会福祉協議会の他に、町内の社会福祉法人、ボランティア、民生児童委員協議会、教育委員会、保健センター等も連携して実施し、町ぐるみで困っている親子をサポートする事業となります。
月に1~2回、ボランティアやコミュニティソーシャルワーカーが利用者に直接食材やお弁当等をお届けする際には、日常の困りごとがないかなどの声掛けを行い、親子の見守りをします。
相談事業のプロフェッショナルの社協が主体となっているので、食品の配送をきっかけに親子に声かけをする「アウトリーチ」がスムーズに行なえるのが特徴です。
利用者は6月1日から募集開始し、最大50世帯の親子に食品を届けられるよう準備をしています。
ユニークで可愛い「もぐハグ便」の名称は、吉野町社会福祉協議会に採用されたばかりの2人のスタッフが名付けました。
『町内で子育て中のご家庭に食を届ける「もぐハグ便」。ご飯を食べる“もぐもぐ”と、つながりを“育む(はぐくむ)”から名付けました。
「もぐもぐ」には、子どもたちに吉野で育ったおいしい食材をたくさん“もぐもぐ”食べて育ってほしいという思いを込めました。また、「育む」という言葉には、「大事に守って成長させる」という意味があります。
もぐハグ便では、子育て中のご家庭と地域とのつながりを大切に温かなつながりを広げていきたい、そして、吉野の子どもたちが地域に大切に見守られ、成長していってほしいという思いが込められています。
町内では、「子どもが少なくなって寂しい」という声が聞かれることも少なくありません。子育て家庭を身近に感じる機会が減ってしまった今、このもぐハグ便が地域住民と子育て世帯とをつなぐきっかけとなり、地域全体に子育て世帯を応援し、見守る気持ちが育まれていくことを願っています。』
吉野町社会福祉協議会 スタッフより
もぐハグ便の第1回配送は6月25日にスタートします。
町内企業や商店からの寄付で集まった食品のほか、配送するお米150kgは、新潟県のこども宅食「にいがたお米プロジェクト」が寄贈しました。
また、こども宅食応援団からも、「新型コロナこども緊急支援プロジェクト(認定NPO法人フローレンス実施)」を通じて全国の法人・個人の皆さんから提供いただいた使い捨てマスク2,000枚などの衛生品を提供します。
全国から集まった親子を想う気持ちのこもった食品や日用品が、吉野町の最大50世帯の親子に届けられます。
こども宅食応援団は、「こども宅食」の事業を全国に広める活動を行っています。
こども宅食の利用者1,000人に実施したアンケートでは、他の行政や地域の支援サービスを利用していなかった世帯がこども宅食を利用している実態が見えました。
食をきっかけにすることで、今まで繋がることの出来なかった親子にも繋がることができています。
※一般社団法人こども宅食応援団「新型コロナウイルスの影響に関するアンケート」より
新型コロナウイルスの感染拡大による経済的影響をうけて、全国様々な地域からこども宅食の利用を希望する問い合わせが相次いでいます。
現在、10地域16団体にひろがるこども宅食をさらに全国に増やすため、こども宅食応援団は活動を続けていきます。
こども宅食応援団の活動運営費は、皆さんからの寄付でまかなわれています。親子の食生活を支えるためのご支援をお待ちしています。
▼親子のSOSが見落とされない社会をつくる。命をつなぐ「こども宅食」を全国に広げたい
https://www.furusato-tax.jp/gcf/3002
こども宅食を応援したい
こども宅食をやりたい・知りたい