全国のこども宅食事業を実施・検討されている自治体の皆さんに、朗報が入りました!
令和二年度第二次補正予算に引き続き、令和三年度も「支援対象児童等見守り強化事業」でこども宅食による支援が実施できることが決まりました。
また、政府備蓄米のこども宅食等での活用も決まりました。
詳しく解説した、弊会代表理事・駒崎弘樹(兼・認定NPO法人フローレンス代表理事)のブログを紹介します。
現在、11都府県に緊急事態宣言が出され、外出自粛等が求められています。家にこもる時間が長くなりストレスが増えたり、コロナ関連の解雇や収入減の影響が続いて、困難を抱える子育て家庭では虐待リスクが高まっています。
ある地域では、子育て家庭からこども宅食団体に「緊急事態宣言で冬休みが延長されて、給食もなく、食費が底をつきました・・・」とのSOSもありました。
今、食料を家庭に届けつつ、見守りを行う「こども宅食」へのニーズが増えています。
こうした中、この1月末、僕らがこども宅食議連(こども宅食推進議員連盟)の議員のみなさんと共に政府に要望してきた以下の2つが実現しましたっ!!
・こども宅食等による見守りを促進する「支援対象児童等見守り強化事業」を令和3年度も継続(全額国庫負担で)
・こども宅食団体への政府備蓄米の無償提供
【「支援対象児童等見守り強化事業」令和3年度も継続】
今年度第2次補正予算に入った「支援対象児童等見守り強化事業」。国の予算事業に、初めて、こども宅食団体等による家庭支援が入ったという意味で、非常に画期的でした。(参考記事)
今年度、既に数十の自治体がこの事業の導入を進めていて、こども宅食が全国に広まりつつあります。
しかし、多くの自治体がコロナ対応で業務が逼迫していて、事業自体に関心はあるものの、今年度は余裕がなくて、来年度の導入を検討しているのが実情。
せっかく始まった事業なのに、今年度限りでは、こども宅食を全国に広げる流れが減速してしまう……。
そこで、こども宅食議連とフローレンスは、「来年度以降もこの事業を継続してほしい!できれば全額国庫負担で。」と厚生労働省に要望していました。
そして、厚労省担当者の努力のおかげで、令和3年度も事業が継続されることが決定しました!しかも全額国庫負担!
※当事業は、今年1月28日に成立した令和2年度第3次補正予算に入っていますが、第3次補正予算は、来年度も使える「15か月予算」です。
内容は以下のとおりで、財政難でなかなか新規事業の予算が確保できない自治体でも事業を実施しやすくなっています!
・総額36億円
・1民間団体当たり約970万円(令和2年度は約830万円)
・全額国庫負担(令和2年度と同様)
【こども宅食団体への政府備蓄米の無償提供】
日本政府が備蓄している100万トンもの政府備蓄米。
こども宅食議連とフローレンスは、「この備蓄米の一部をこども宅食で貧困家庭に配付できるように無償提供してください!」と農林水産省にお願いしていました。(参考記事)
昨年11月には、齋藤健 元農林水産大臣やこども宅食議連の木村弥生議員が、国会質問で、政府備蓄米をこども宅食にも提供する必要性を訴えてくださいました。
そして、ついに農水省担当者が頑張って動いてくれて、1月29日、こども宅食団体に政府備蓄米を無償提供(1団体あたり上限300kg)する旨の通知が発出されましたっ!!
(詳細:農林水産省「学校給食用等政府備蓄米交付について」)
子ども宅食団体(食材提供団体)に交付できるよう、交付要領が一部改正されました。
>>https://www.maff.go.jp/j/seisan/kokumotu/bichikumai.html
フローレンスが全国の自治体にアンケートをとったところ、こども宅食を実施する上で「食品の継続的な確保」が課題と回答した自治体が約7割にのぼりました。
政府備蓄米の無償提供は、こども宅食や支援対象児童等見守り強化事業が全国に広まる強力なサポートになります。
後押ししてくださった国会議員、迅速に動いてくださった農水省のみなさん、本当にありがとうございますっ!
【自治体の議員・職員のみなさん、事業導入に向けて動いてください!】
先の見えない不安が募るコロナ禍で、厚労省、農水省、議員、自治体、こども宅食団体等が連携して、困窮や虐待のリスクに直面する親子のために動いています。
自治体職員のみなさん、全額国庫負担で「支援対象児童等見守り強化事業」を実施できる機会を活用して、危機に強く、親子に優しい地域づくりを進めてください!
(自治体向けに先行6自治体の事業内容の比較表や要綱例を配布しています。>>資料請求フォーム)