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2025.11.14

妊娠期からつながり 届ける支援で安心を育む「こども宅食赤ちゃん便」

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こども宅食応援団では、今年も虐待防止月間である11月から【#孤立を生まない社会】をテーマにしたXの毎日の投稿と記事の連載を開始しています。

「困っていても”助けて”が言えない人がいる」「必要な支援が届かない現実がある」という社会問題についての認知度を高め、こども宅食応援団が掲げる「今日を生きるこどもたちのために、多様な人々が手を携え 孤立を生まない社会を創る」というミッションについて、みなさんと共に考える企画です。

今回は、妊娠期からつながり産前産後の子育てをサポートする「こども宅食 赤ちゃん便」の取り組みをご紹介します。

近年、虐待死や乳幼児遺棄などの辛いニュースが後をたたず、いち早い課題解決と支援が必要とされています。困窮、孤立、病気など、複数の問題を抱えた親子が、相談できる家族も身近な知人もなく社会とのつながりをもつ機会が失われ、不安を抱きながら迎える出産、そしてその後の子育てには大きなリスクを伴います。

そんな産前産後の子育てに不安を抱えるママ達をサポートするため、こども宅食応援団では2023年度より、「こども宅食 赤ちゃん便」に取り組んでいます。

「こども宅食 赤ちゃん便」は、産前産後に何らかの心配や課題を抱えた家庭に訪問し、食品、オムツやミルク、離乳食といった赤ちゃん用品などを届け、会話をしながら相談援助を行う訪問型の活動です。
対象は、特定妊婦(※)や暮らしにおいて困りごとを抱える親子。対象時期は、妊娠届を提出する妊娠4ヶ月頃~3歳までです。3歳以降も、必要に応じて継続して見守り支援を行います。


※特定妊婦とは
出産後の子どもの養育について、出産前に支援を行うことが 特に必要と認められる妊婦のことです。(児童福祉法第6条3 第5項)コロナ渦で母親の困窮や孤立は深刻化し、2020年度には全ての妊婦のうち7人に1人が特定妊婦であることがわかっています。また、その多くは行政支援につながらない、つながりにくい状況にあります。

「私がお母さんじゃなければ」

妊娠・出産期は、精神的にも身体的にもバランスが崩れやすく辛い時期です。
経済的にも困窮し「出産準備品をそろえられない」「ミルク・オムツが買えない」また、「赤ちゃんとどう向き合えばいいのかわからない」など、不安を一人で抱えて日々を過ごすお母さんも少なくありません。

産前は前向きな思いで妊娠出産に臨んでいたお母さんも、働く事ができず体調もすぐれない中で、産後うつを発症してしまうこともあります。「私がお母さんじゃなければ」と申し訳なさと罪悪感で日々の暮らしが成り立たないそんな状況も起こりえるのです。

こうした親子の状況は行政等でも把握をしていることがほとんどですが、支援を届けたくても「自分の子育てを否定されるのではないか」「親として失格と思われたくない」など支援を受けることに対して拒否感や警戒感を抱くお母さんもいることから、実際には十分な支援が届けられていないのが現状です。
親子の課題が複雑化するその前に、つながり、みまもることができるのか。親子の支援を考えていく中で、大きな課題となっています。

訪問して安心を届ける

赤ちゃん便が大切にしていることは、品物を届けるだけでなく、生活に必要なサポートや困りごとを一緒に解決していこうと親子に寄り添うことです。
「ミルクが高くて買えないから大人の食費を抑えています」「オムツの交換回数も減らしていて」など、何気ない会話や表情から自然な形で生活状況を知り、今必要な支援へとつなげます。

訪問だけでなく、LINEなどでいつでも連絡がとれるようにつながります。時には、家計管理の方法をレクチャーしたり、予防接種のスケジュールを一緒に考えたり、保育園の入園手続きに同行したり、また、専門家の相談窓口を紹介するなど、一人では行動を起こしにくい事柄へのサポートも行います。

「身近にいる一人の先輩ママのような存在でいたいんです」

赤ちゃん便を担当するスタッフはそう語ります。
つながり交流を重ねるなかで「この人になら相談したい」「助けてほしい」と思える信頼関係が育まれ、課題解決に向け一緒に考えていくことができるようになるのです。
誰にも相談できずにひとりで困っている親子に寄り添える事が、こども宅食赤ちゃん便の魅力です。

「出産おめでとう」新しい命の誕生を喜べる環境づくりを応援したい

早期(妊娠期)からつながりを持ち、継続して寄り添い、見守りを行うことは、生活の困りごとを軽減することはもちろん、つながることで孤立感がやわらぎ、安心して妊娠・出産・育児に臨むことができるようになります。

佐賀県でのトライアル事業からスタートした「こども宅食 赤ちゃん便」は、全国の実施団体の皆さんの元へ思いをつなぎ、地域・行政・社協・企業・団体からの理解と協力もひろがり多様なサポートが実施されるようになりました。

「妊娠期からつながることができれば、孤立出産・育児はふせぐことができる」
こども宅食応援団は、親子とつながり見守る「こども宅食 赤ちゃん便」を、これからも皆さんとともに全国に広げていきます。

「こども宅食 赤ちゃん便」立ち上げへの思いは、以下記事からご覧いただけます

つながることで安心を育む
スチューデント・サポート・フェイス 中山志穂さんインタビュー

届ける支援で孤立を防ぐ   
こども宅食応援団 井内美奈子インタビュー

「助けて」が言えるように こども宅食 赤ちゃん便


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