新型コロナウイルス感染症の影響が引き続き深刻な状況にあった2021年。
親子のつらいを見逃さない社会を目指し、引き続きこの1年間もこども宅食応援団は活動を拡大してきました。
新型コロナウイルス感染症の影響による困窮世帯が急増したことにより、今まで以上にこども宅食の必要性が高まり、北海道から沖縄まで、全国各地でこども宅食の輪が広がりました。2020年1月は、たった6団体だったのが急速に増加し続け、現在は71団体*にもなり、約10,000世帯のこども宅食を必要とするご家庭と繋がっています。(*2022年3月現在の連携団体数)
1年間を通じてさまざまな活動をしてきましたが、印象に残る活動をハイライトでご紹介します。
これまで、全国の実施団体の皆さんと「官民連携で子どもを見守る新しい仕組み」の創設にチャレンジしてきた、こども宅食応援団。
しかし、こども宅食を実施している団体の中には、子ども食堂など”食支援活動”からこども宅食を開始した団体もあり、「家庭とつながった後、家庭のニーズや課題の把握、次の支援へ『つなげる』ところが難しく悩んでいる」といった声がありました。
そこで、「全国で、さまざまな団体がアウトリーチ型のこども宅食の仕組みを使って家庭を見守るには、各地で子どもと家庭に関する様々な相談に応じる専門機関の理解や協力が必要になるのでは?」と考え、全国の児童家庭支援センター20箇所以上に、2021年12月からこども宅食事業を6ヶ月実施頂く助成を実施しました。
先駆的にこども宅食を始めていたNPO法人しずおか・子ども家庭プラットフォームの例にあるように、各地域で子どもたちを共に支えていくネットワーク強化に向けた動きとなることが期待されています。
>>こども宅食応援団×フローレンス、全国児童家庭支援センター協議会と連携し、全国26の民間団体へ『こども宅食』緊急支援助成を実施
各地でこども宅食の活動が広がる中、活動に様々な不安を抱える団体さんも少なくありません。そんな団体さんの悩みに少しでも力になれるよう、こども宅食応援団では、団体同士の交流や活動における課題を拾い上げ、情報交換の機会が得られる場を提供するため、研修会や勉強会の開催にも力を入れてきました。
2021年1月の初めてのオンライン座談会に始まり、第2回全国こども宅食サミット(同年4月開催)、九州こども宅食サミット(同年10月開催)、山形県勉強会(同年10月開催)、全国オンライン勉強会(同年11月)、佐賀こども宅食座談会(同年11月)と、様々な視点からこども宅食について知識を深め、解決に向けた取り組みができるようサポートや、場作りを行なっています。
>>第2回全国こども宅食サミット「全国の事例から学ぶ、今必要とされる“見守り”とはなにか」を開催しました!
>>訪問時のコミュニケーションからLINEの活用方法まで!『全国こども宅食勉強会(オンライン)』を開催しました
10月に開催した山形県勉強会では、佐賀・秋田のこども宅食団体に講師として取り組みをお話いただく新しい試みも実施しました。
日々のケースワークの悩みやアウトリーチの可能性を議論する真剣な勉強会や、時にはワイワイ楽しい雰囲気の座談会まで、それぞれに合った形の開催を心がけていました。
――九州サミットの様子
――佐賀座談会の様子
2021年はこども宅食の実施団体の輪が広がっただけではありません。国や企業などのさまざまな関係者との連携も拡大し、深まった1年でした。
例えば、農林水産省やこども宅食推進議員連盟の皆さんのおかげで、こども宅食活動に使える政府備蓄米の量が4倍になったこと。また、コロナ禍で生活や経済への影響が長期化するなか、全国の民間活動への迅速かつ柔軟な資金助成や物資支援を可能にする、「ひとり親家庭等の子どもの食事等支援事業」という新たな支援の枠組みを厚生労働省に実現頂くこともできました。
そして行政との連携だけではなく、大手食品メーカー各社とネットワークをもつ国内最大級の食品卸企業が親子を応援するため、大規模な食品寄贈を実施頂きました。
こども宅食応援団が新たな取り組みに挑戦し、こうして継続して活動を続けられるのは、このようにたくさんの方々の応援や支えがあってこそだと感じています。
2021年まで応援いただいたみなさま、ありがとうございました。
みなさまの温かいお気持ちを、支援を必要としているご家庭へとしっかりとつないでいくこと、そして、こども宅食団体が価値を生み出せる、活動しやすい環境づくりをこれからもサポートしていきます。
2022年度も応援よろしくお願いします。
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