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【自宅療養急増の地域の団体・議員必見】自宅療養が必要な子育て家庭向けの自治体サポートを要点検!

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こども宅食応援団事務局の本間です。
こども宅食を行っている全国の実施団体さんと日々情報交換をしていますが、最近気になるのは、「デルタ株の感染拡大」、「自宅療養者の増加」といったニュースです。

感染拡大で子育て世帯の直面する危機

全国のこども宅食団体から、気になる事例を聞くようになりました。
 

「最近、コロナ感染したひとり一人親のご家庭から食支援の依頼がありました。子ども2人ですが母親以外に家事ができる大人がおらず……急ぎ、職員に食料をもたせ、訪問に行きました。」

 
昨年のこども宅食利用家庭を対象に行った新型コロナウイルスの影響に関する全国アンケートでも、ひとり親家庭を中心に、もしものときの不安を訴える声は上がっていました。

「母子家庭の場合の自分がコロナに感染したときの子供の行き場所がどこになるのか? 預ける場所が分からない。」

「先が見えない不安。 もしもの時の子供達の事の心配。 信用でき頼れる人間がいないです」

 

国や自治体の対応状況は?

こうしたなか、国や自治体の準備状況はどうなっているのでしょうか?

国から自治体には、まずは親族等による預かり、それが難しい場合に、一時保護所や自治体の関連施設での子どもの受け入れを準備するよう呼びかけています。(令和2年4月23日発出:厚生労働省による通知

また、自宅療養者向けに配食サービス(保存食品のパッケージの宅配を含む)を導入している地域もあります。

国も、「ひとり親家庭の保護者が自宅療養者に該当する場合など、自宅療養者が外出せずに生活を継続できるよう、配食サービスの導入が重要である。」と自治体での導入を促進しています。(新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る自宅療養の実施に関する留意事項 1-(5)より(厚生労働省)

 

孤立する家庭はさらに窮地に……

制度上は、配食サービスが準備されていることになっていますが、冒頭の各地のケースの通り、十分に情報や支援が行き届いていないこともあります。

また、子どもの自治体・施設受け入れも、今後の感染拡大次第で不足する可能性もあります。

 

昨今、孤立・孤独が社会課題として注目されている通り、頼れる祖父母や親戚がいる子育て家庭ばかりではありません。

▼こども宅食全国調査では、利用家庭の中に「近隣の人や親・親戚などの手助けが殆どない」という世帯がいた団体は8割にものぼる。

こども宅食の実施実態に関する調査報告書より

 

”保護者の自宅療養”の急増に備えてできること

「8月11日時点の自宅療養者は約7万4000人 1か月前の12倍に増加」とのニュースにもある通り、今後、子育て家庭での保護者感染や、地域によっては自宅療養が増加することが懸念されます。

 

どんなことを備えておくべきでしょうか? 地域の団体や行政でできることはなんでしょうか?

全国の連携先の団体に最新の状況をヒアリングし、以下の通りまとめてみました。

自治体・地方議員の皆さん、子育て世帯の保護者の新型コロナウイルス感染に備えて、食と見守りのセーフティネットの点検をしてください!

1.【自宅療養者の増加が見込まれる地域】自治体の食支援・配食サービスの導入を徹底してください!

まずは、未導入の地域は食支援や配食サービスを導入してください。

導入済の地域も点検するポイントとして、下記2点をご確認ください。

・適時の配送ができる十分な体制になっているか?
・感染者本人以外の子ども(同居家族)の分も配送される仕組みか?*1

すでに対応件数の増加によって「何日も食品が届かない」といった地域も出てきています*2。支援が必要な状況になった家庭に、即時の配送ができる体制が整えられているか、ご確認ください。

2.孤立しやすい子育て家庭に情報を届けてください!

自治体の情報が届きにくい世帯が一定数います。

自治体HP等で食支援に関する情報をわかりやすく掲載してください!

また、困りごとを抱えた家庭とつながりを持っていたり相談を受けやすい地域内の民間団体にも、対応フローや自治体窓口・連絡先を共有し、家庭への情報発信を官民連携で実施してください。

*1  新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る自宅療養の実施に関する留意事項(厚生労働省)より
「配食サービスとしては、自宅軽症者等が対象であって、同居家族等については対象外であることに留意が必要である。その際、同居家族等に係る分について、自費負担により配食サービスを受けることは差し支えない。 」

*2 自宅療養者急増 滞る支援 食料「1000人待ち」届かず

 

こども宅食など、全国の子育て家庭を支援する民間団体の皆さん、以下をぜひ検討してみてください!

・利用家庭からの問い合わせに備え、保護者が感染した場合の、現状の自治体の対応フローを事前に確認する。

・上記提案(1、2)を自治体や地元の議員に相談する。

・自治体のお知らせや、地域で使えそうな生活支援事業など役に立ちそうな情報をまとめて、利用家庭LINEなどを活用し、利用家庭にわかりやすく連絡する。

・感染者の出た利用家庭などから相談・食支援のSOSがあったときの対応フローを団体内であらかじめ確認しておく※対応時の感染対策についても、フローの確認・策定を忘れずに。


こども宅食は、困りごとを抱えた家庭と定期的な接点があり、「食」を入口にするなど普段から生活に密着した会話や、相談を受けることも多くなるので、緊急時にもSOSが出てくる場面が出てきます。

今回、各地のこども宅食団体に協力してもらい、実際の対応状況や気をつけているポイントを広く集めました。全国のデルタ株の感染拡大で、先行きが見えず不安が増していますが、「親子の見守りのために、自治体や民間団体ができることから準備しておく」ことの重要性を感じます。

新型コロナウイルスへの罹患等によって、周囲のサポートを得づらいご家庭の孤立が高まってしまう懸念があります。今後もこども宅食応援団は、繋がりづらい親子へのアウトリーチが行える「こども宅食」の全国普及や、事業モデルの深化を推進し、親子のSOSが見落とされない社会を目指してまいります。


(参考)自宅療養者向け配食サービス導入の留意点

事前の宅配時間の確認、置き配活用、容器使い捨てなど、非接触を徹底するためのポイントが以下資料の15頁に掲載されています。
新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る自宅療養の実施に関する留意事項(厚生労働省)

 

(事例紹介)実際の自治体の食支援・配食サービス

 

朝日新聞「どうする?コロナ療養時の弁当 不満や批判に配慮重ねて」

大阪市は1月から1週間分の食料品セットの配送を始めた。中身はレトルトのおかゆや即席スープ、カップ麺、缶詰など約1万1千円分。自宅療養者の約半数が希望したという。担当者は「市には『ありがたい』という声が多く届いている」と話す。

ただ、SNS上には「『感染者の回復に最良な食事』という観点で考えた方が良い」「自宅療養しているのは大人だけちゃうぞ。子どもはどうすんねん」といった厳しい意見もある。2月17日の市議会民生保健委員会では、自民党市議が「メニューは残念すぎるんじゃないか」と批判。担当者は「栄養バランスにも一定配慮した品目を選定したが、今後、内容を検討していく」と答弁した。

 

新潟県の自宅療養者は670人超… 三条市が“ほっとデリバリー” 自宅療養者に食料品・日用品を配達へ

新潟県内でも新型コロナウイルスの感染拡大が続き、新潟県内の自宅療養者は20日時点で672人にのぼっています。

こうしたなか新潟県三条市は、自宅療養者などに食料品や日常生活用品を配達する取り組みを始めると発表しました。

少しでも安心して療養にあたってほしいという意味を込め、ほっとデリバリーと名付けられたこの事業。

利用者が所定のラインナップから選択した商品(上限2万円)を、経過観察期間中に2週間に1回、自宅に配送するというものです。

自宅療養者への商品代と配送料は公費負担、濃厚接触者への商品代は自己負担としながらも、配送料は公費負担とするということです。

三条市は必要な予算を9月市議会で提案し、議決されれば速やかに事業を始めたい考えです。」

 

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