「こども宅食」は、食品を届けるだけの支援ではありません。
訪問を重ねる中で、親子に寄り添い、思いを受け止める「ぬくもりの言葉」も一緒に届けています。
支援現場のエピソードからは、そうした言葉が、親子にとってどれほど大きな支えとなっているかが伝わってきます。
本記事では、全国のこども宅食支援団体の活動の中で生まれた「ぬくもりの言葉」と、各地域でこども宅食に取り組む団体の皆さんの想いを、これまでの活動報告記事から抜粋してご紹介します。


つらさを抱えている渦中にいるとき、誰かが「あなたはひとりじゃないよ」と言っても、気休めにしか聞こえないかもしれません。
それでも、いまつらいのであれば、どんなことでもいいので気持ちを話してほしい、と思っています。どんな声でもいいから、聞かせてほしい。悩みを打ち明けるのはとても勇気がいることです。しかし勇気をふりしぼって相談したことで、状況が改善した人たちを私はたくさん目にしてきました。
―一般社団法人 ひとり親家庭福祉会ながさき 事務局長 山本倫子さんインタビューより
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https://hiromare-takushoku.jp/2019/12/17/932/

話を聴くことしかできなくても、心に寄り添うことはできます。傾聴し、心をほぐしていく。つながっていることで、前向きな気持ちを育み、必要な支援へとつながるきっかけとなっています。
お母さんの心が満たされていたら、自然と家族に優しくできる。子どもの支援の為には親の支援が一番大切なことと信じ、目の前のお母さんの笑顔が増えていくようにと思いをこめて活動を続けています。
―特定非営利活動法人ここからKitさんインタビューより
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https://hiromare-takushoku.jp/2024/02/27/6632/

「これからどうやって生きていこう」と、今日明日を生きるためにすがれるものはないかと
SOSのメールを送ってくれた親子がいました。
訪問を重ねるほどに少しずつ明るさを取り戻し、
「品物も嬉しいけれど、家に来てくれる人がいる事が嬉しい」──お母さんはそう思いを聞かせてくれました。
「助けてほしい」と思った時に「クレエールがいる」と思ってもらえるように。そう願いながら日々活動しています。
―特定非営利活動法人Creer(クレエール)理事長 原田昭仁さん、理事 喜多條雅子さんインタビューより
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https://hiromare-takushoku.jp/2024/12/23/8194/

いつもは「元気です!頑張っていますから」と明るく話していましたが、ある日の電話で涙をこぼしながらこう言いました。
「ひとりじゃないはずなのに、とても孤独で…寂しい気持ちでいっぱいになるんです」
お母さんの心の中は「助けてほしい、分かってほしい」という孤独感でいっぱいになっていたのです__
大切なのは「あたたかい関心をよせ続けること」。
「これは(ご寄付先からの)お母さんへのエールなんですよ」など、見守っている存在がいることを言葉にしながら、こども宅食の品物を届けるようにしています。
そうしてつながり続けるうちに、「聞いてほしいことがあるんです」と心を開いてくれるようになっていくのです。
―ほしくま児童家庭支援センター センター長 吉成のり子さん、社会福祉士 大川原順子さん、佐瀬駿介さんより
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https://hiromare-takushoku.jp/2024/12/20/8089/

実家がある人もない人も、実家のように気軽にいつでも過ごせて、心と身体を休ませ、家族のような関わりをもてるようにと、開かれた居場所になるように。
子育てをする中で感じる孤独や不安。それを共有することで何かしらの幸福感を感じることができたら毎日の生活の潤いになります。一緒に時間を過ごし、帰る時には抱えていた何かをふっと開放して、フラットな心持ちになってもらいたいという思いが、活動の原点です。
こども宅食を始めたことで見えたもの、それは近づいた心の距離です。
お届けする際に、玄関先で話をする時間を持つことで、家庭の様子や、お母さんや子どもたちの心の様子を感じることができるのです__
―一般社団法人umau.さんインタビューより
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https://hiromare-takushoku.jp/2023/05/01/5569/

あるご家庭では、お米や品物を持って訪問した際に、「お子さんたちお元気ですか?」のひとことから、お母さんの表情が変わり、堰を切るように思いのたけを話してくれたことがありました。こんなに大変な思いを抱えていたのかと、その日はじめてお母さんの思いを受け止めることができました。
心の扉が開けば、その家庭が社会とつながるきっかけになる。親子をとりまく社会が拡がっていく。そんな関係性づくりを大切に活動を行っています。
―一般社団法人小豆島子ども・若者支援機構 代表 岡広美さんインタビューより
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https://hiromare-takushoku.jp/2025/03/03/8474/
支援の現場から届けられる、ほんの小さな言葉の力。
それは、困難に向き合う親子の背中をそっと押し、笑顔を生むきっかけになります。
これからも、一つひとつのぬくもりを大切に、ひとりでも多くの子どもとご家庭に「安心」と「希望」が届く「孤立を生まない社会」を目指していきます。
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