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2024.03.28

【親子の支援を語ろうキャラバン】第10回 大阪レポート 「親子が笑顔で過ごせるように 地域で育つ・地域で見守る仕組みづくりを」

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こども宅食応援団は、親子のつらいを見逃さない社会にするため、「こども宅食」が全国各地で実施されるよう、日々活動しています。2018年末から始動し、たくさんの地域で実施の広がりを見せ、全国で実施する団体数は39都道府県、193団体となりました。

そして今年度は、親子の支援に携わる地域の団体がつどい、語り合い、〝地域みんなで親子を支えるつながり〟を深める取り組みとして「親子の支援を語ろうキャラバン」を企画し、全国10カ所で開催しました。

今回は、2024年2月28日(水)に第10回目として大阪で開催された様子をレポートします。

親子の支援を語ろうキャラバン  https://hiromare-takushoku.jp/2023/06/08/5622/ 

<イベント概要>

日時:2月28日(水)13:30~16:00
会場:大阪市中央公会堂小集会室       

<プログラム>

 第1部「こども宅食とは?」(30分) 

 定期的な「食のお届け」をきっかけに家庭を見守り、寄り添う伴走型支援
「こども宅食」について、こども宅食応援団理事の原水からお伝えしました。 

 第2部 地域の実施団体より「こども宅食の事例紹介」          (40分) 

キャラバン開催地の大阪府で、こども宅食を実施している団体にご登壇いただき、
親子の見守りを通じた発見や課題などをご紹介頂きました。

 第3部 参加者による「座談会」(60分) 

大阪府で親子の支援に関わる皆さんが集まりました      

今回のキャラバンには、大阪で親子の支援に関わる約40名の方にご参加いただき、日々の活動への熱い想いを聞かせていただきました。

――会場の大阪市中央公会堂は、大正7年建築の歴史ある建物で、国の重要文化財に指定されています。

第1部では、こども宅食応援団の原水から「こども宅食」の概要や取り組む社会課題、また「こども宅食応援団」の活動内容について、動画も交えてお話しました。

・こども宅食とは https://hiromare-takushoku.jp/about/

・こども宅食PR動画 

【こども宅食について】https://www.youtube.com/watch?v=ZmGVaiSdBrU
【こども宅食応援団について】https://www.youtube.com/watch?v=KKMnqI4fGGM

――こども宅食応援団 理事 原水敦

第2部 こども宅食事例紹介 

第2部では、キャラバン開催地の大阪府で、こども宅食を実施している団体にご登壇いただき、親子の支援を通じた発見や課題などをご紹介頂きました。
はじめに登壇していただいたのは、NPO法人やんちゃまファミリーWith 理事長 田崎由佳さんです。

――NPO法人やんちゃまファミリーWith理事長田崎由佳さん 

NPO法人やんちゃまファミリーWithは、大阪府松原市を拠点に、「地域に元気な大人を増やし子育てしやすい社会をつくる」「地域の中で元気に活躍する大人が増える仕組みづくりを」との思いで活動するNPO法人です。 https://yanchama.net/

まつばらフードパントリー、まつばらプレイパーク&親子防災、松原市青色防犯パトロール、子ども食堂、訪問型の傾聴ボランティアなど、松原市そして松原市社協など、各機関と連携のもと様々な支援活動を行っています。まつばらフードパントリーでは、市内の産後2ヶ月までの赤ちゃんがいる家庭を対象として、「ママに愛情たっぷりお弁当」をお届けしています。訪問をきっかけとして家庭とつながり、継続的な支援が必要な家庭には、毎週木曜と最終土曜に「やんちゃま弁当」を提供しています。こども宅食でお届けしたお弁当の累計は16000個を超えています。}

――登壇資料より

訪問支援を担当するボランティアスタッフには、あらかじめ研修を行い、訪問家庭と「少しずつ丁寧に」関係性を築いていきます。訪問時は、自分の考えを押し付けることなく、小さな事でも褒める・認める。相手の言葉を待つように「傾聴」すること。そして、子どもだけでなく親も大切にすること。訪問先の「ありのまま」の家庭の様子を報告してもらうようにし、様々な関係機関と連携しながら、地域で見守ることができるように支援を行っています。

続いてご登壇頂いたのは、大阪府堺市の児童養護施設に併設された、子ども家庭支援センター清心寮・リーフ 相談支援員の安原由依さんです。https://kodomoshien-leaf.com/

関連記事:宅食で地域とつながるきっかけ作りを――大阪府堺市 リーフのこども宅食プロジェクト

――子ども家庭支援センター清心寮・リーフ 相談支援員の安原由依さん
児童家庭支援センターは、地域の児童の福祉に関する相談に対し、専門的な知識及び技術をもって助言を行い、市町村、児童相談所、児童福祉施設等の等の関係機関との連絡調整等を総合的に行い、地域の児童、家庭の福祉の向上を図ることを目的とする地域相談機関です。相談支援、心理療法、子育て支援プログラム、里親支援事業などの取組みが行われています。2023年6月現在、全国に176か所設置され、大阪には岸和田、十三と合わせて3か所あります。


――登壇資料より こども宅食をきっかけにプラスワンアクションを起こすように

リーフでのこども宅食の取組みは、2022年1月よりスタートしました。
現在は16世帯を対象に、堺市の家庭児童相談室(以下、家児相)と連携し、支援を必要としている家庭へ食品を届けています。リーフのこども宅食の目的は、支援家庭を「地域のこども食堂につなげる事」です。食品のお届けを始める際に、訪問する期間をあらかじめ定め、継続した支援を行えるように、関係機関と困りごとを共有し必要な支援へとつなげていきます。活動を行うなかで大切にしていることは、「要支援世帯と地域の橋渡しとなること」です。こども宅食をきっかけとして、孤立することなく地域へつながるよう活動を行っています。

質疑応答では、スタッフの年齢層や連携について、気になる家庭とのつながり方、訪問する際の注意点、物資(財源)の調達方法、ネットワーク加盟についてなど具体的な質問が寄せられました。

第3部 座談会  

第3部では、登壇者の樋口さん安原さん、そして、お母さん業界新聞大阪  お母さん大学大阪支局・えほん箱 プロジェクトリーダー 宇賀佐智子さんにご参加いただき、参加された皆さんと共に座談会を行いました。

お母さん業界新聞は、お母さんによる、お母さんのための共感新聞です。MJ記者(マザージャーナリスト)として全国のお母さんたちが執筆に参加し、子育ての日々やお母さんの本音を、新聞とWEBで配信しています。ご登壇いただいた宇賀さんは、大阪支局長として取材・編集に携わられています。
座談会では、産前産後のお母さんは、孤立感・孤独感を強く感じる時期であり、日常の何げない出来事を、ペンをとり自らの言葉で発信していくことで「母力」が満たされていく。お母さんに「もっと自分に、子育てに、自信をもってもらいたい。お母さんの笑顔は未来をつくる。」と、子育て時期のお母さんへのエールをお話し頂きました。

――写真左)お母さん業界新聞大阪  お母さん大学大阪支局・えほん箱 プロジェクトリーダー 宇賀佐智子さん/写真右)お母さん業界新聞紙面

https://www.okaasan.net/tag/osaka-ban/

座談会では、産前産後に困りごとを抱えた家庭に訪問し、無料でオムツや日用品を届け、お母さんと1時間ほどの会話を通じて相談援助を行う「こども宅食赤ちゃん便」についても紹介されました。やんちゃまファミリーwithでは、「赤ちゃん便」にも取組み、産前からの切れ目のない支援に取組んでいます。支援を受けたくないという家庭でも、赤ちゃんの事での訪問となると、扉を開き、話をしやすい状況をつくることが出来ます。困りごとに寄り添う事と共に、未然に防ぐ関りも持つことが出来るようになります。

「こども宅食赤ちゃん便」 関連記事: https://hiromare-takushoku.jp/2024/03/11/6745/ 

こども達、お母さんが笑顔で過ごせる社会をつくる為に、社会と断絶されがちな親子をどう見守り支援を行っていくのか。親子の困ったにどう寄り添いつながっていくのか。その実現の為には、官民、様々な団体が連携し見守りを行える社会の仕組みづくりが必要となります。

地域連携の大切さを改めて感じることの出来た大阪キャラバンでした。

令和5年度に全国10か所で開催した、「親子の支援を語ろうキャラバン」も大阪キャラバンが今年度最後の開催地となりました。

こども宅食応援団はこれからも、全国各地の皆さんと共に、活動の輪を広げていきます!

参加者の感想 事後アンケートより

・こども宅食について基礎的な部分を理解できた。実際に取組んでいる団体からの具体的な事例を知る
機会となり良かった。
宅食とは周囲に知られない形での支援という言葉が胸に残りました。松原市のNPOの方のような活発 
 に動ける方をどう増やすかが課題です。
・届ける支援を始めてみようと思った。
・フードパントリーに来ることができない方へ自宅までお届けをしているが、玄関の前に置いて帰って
いる。一歩踏み込んだアプローチも考えていきたい。
・貧困家庭を対象にしているというイメージをなくそうと、だれでも参加できる所とアピールして子ど
も食堂を開催してきた。表面的な関わりだけでなく、困ったら頼れる存在と理解してもらえるように
なりたい。
・今回のような情報や見識を得られる場を(リアル・オンライン)継続して行ってもらいたい。
・子ども食堂への来所が難しい家庭に向けた「宅食」を実施している。支援を求めている方とつながっ
ていく、ということについて、もう一歩進めて考えてみたい。

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