今だ回復の兆しが見えない深刻な「コロナ不況」。特に、経済的に困難を抱えるご家庭への影響は甚大です。各ご家庭への食品の配送を通じて見守り支援を届ける「こども宅食」は、コロナ禍において避けなければならない3密を生まない親子支援ができるため、コロナ不況下においても有効な支援メニューとして注目が集まっています。
佐賀県内でも、子ども食堂などの従来の支援が難しい状況にあり、コロナ不況によって経済状況が悪化するご家庭を見守り支援するニーズが高まっています。
このたび、一般社団法人 こども宅食応援団(以下「こども宅食応援団」)は公益財団法人佐賀未来創造基金(以下、佐賀未来創造基金)と協働し、新規にこども宅食を実施する団体5団体に対し、運営資金を助成する「佐賀未来こども宅食トライアル助成」を実施します。
本日2020年10月7日、こども宅食応援団代表理事の駒崎弘樹が山口祥義佐賀県知事を表敬訪問し、新しく誕生するこども宅食5団体を発表いたしました。
「こども宅食」は、経済的に困窮する子育て家庭と食品の配送を通じて積極的なかかわりを持ち、見守り支援を届け、時には行政などの必要な支援につなぐ新しい形の支援モデルです。2017年に、東京都文京区でスタートしました。
こども宅食応援団は2018年に佐賀県で立ち上がり、こども宅食モデルの支援の輪を全国に広げるため、各地で事業を開始するための助成などの立上げ支援、事業を実施していくためのノウハウ提供などの伴走支援を行っています。
2019年2月に佐賀市で「とどけYELL」(運営団体:任意団体スマイルキッズ)と「おなか一杯便」(運営団体:佐賀市立北川副小学校運営協議会内 こどもおなか一杯便事業部)の2つのこども宅食が誕生したことを皮きりに、現在は全国15地域・23団体でこども宅食がスタートしており、佐賀を拠点にこども宅食の輪が全国的な広がりを見せています。
また、こども宅食応援団では、全国どこの自治体でもこども宅食を実施しやすくするため、ロビイング(政策提言)にも注力しており、今年5月の第2次補正予算には「支援対象児童等見守り強化事業」としてこども宅食が含まれ、有志議員による「こども宅食推進議員連盟」が立ち上がるなど、「こども宅食」国策化への動きに繋がっています。
2020年3月、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、全国の小中学校が一斉に休校となりました。その後、緊急事態宣言は解除となりましたが、全国的に深刻な「コロナ不況」が訪れています。経済的な困難を抱えるご家庭にとっては更に厳しい状況となりました。
そんな中、佐賀県内の子どもの居場所支援を提供する「さが・こども未来応援プロジェクト実行委員会」のもとには、コロナ禍においてこどもの居場所の運営が困難な状態にあること、その結果として、対象となっていたこども世帯の状況把握が難しくなっているといった声が多数届きました。そこで、「さが・こども未来応援プロジェクト実行委員会」の協力のもと、こども宅食応援団は佐賀県内のCSO支援に取り組む佐賀未来創造基金と協働し、新型コロナウイルス感染症拡大防止・予防等の対応(臨時休校など)に関わる「こども宅食」事業を新たに行う団体に対し、資金助成を行うことにいたしました。
本日2020年10月7日、こども宅食応援団代表理事の駒崎弘樹が山口祥義佐賀県知事を表敬訪問し、以下5団体への助成が決定したことを発表いたしました。
団体名 | 活動地域 | 活動内容 |
Lihi Terra(リヒテラ) | 唐津市 | ・地域の活動団体や支援したい人、企業をつなぐ ・お寺を核とした支援、居場所づくり (子どもから大人まで) |
かがみこどもプラザ実行委員会 | 唐津市 | 英語教室AB、お話学級、 ものしり学級、かるた教室、お茶、 ピンポン、ハンドベル、 競技かるた、半田のびのび教室、こども食堂、 児童クラブへ読み聞かせ |
NPO法人のいちご会 | 伊万里市 | 子ども食堂の開催、食料文房具等の支援、 制服備品の貸与、学習支援 |
にじいろぽけっと | 小城市 | 宅食、学習支援、生活支援、保護者の就労支援 |
隣友の会 | 唐津市、神崎市、 吉野ヶ里町 |
子ども、高齢者、国籍に関わらず 生活困難事の支援 |
これで、全国のこども宅食実施団体は、15地域28団体になりました。佐賀県内では計8つの団体でこども宅食が実施されることとなり、全国的に見ても最大規模のこども宅食ネットワークが誕生します。未曽有の経済危機の中で、親子を支えるための支援の輪がより強固に築かれます。
(左より:こども宅食応援団・駒崎弘樹、山口祥義佐賀県知事、佐賀未来創造基金・山田健一郎氏)
本日の表敬訪問で山口県知事は、「佐賀県は『イクメン力全国ランキング2020』で全国1位。それでもたくさんのリスクを抱えた世帯もある。こども宅食がいろんな気づきのきっかけになる」と期待を述べました。
こども宅食応援団代表理事の駒崎は「2年でここまで広がったのは幸運。ふるさと納税のスキームに感謝」と述べ、佐賀県内での活動と全国への広がりを紹介し、「支援対象児童等見守り強化事業」の佐賀県での活用についての意見交換をしました。
こども宅食応援団は「こども宅食」の取り組みを全国にひろげるため、新規に立ち上げる団体への立ち上げ支援、こども宅食事業を実施している団体へのノウハウ提供や技術サポートなどの伴奏支援、こども宅食が全国で実施されやすい環境をつくるために制度化などをすすめるロビイング(政策提言)などを行っています。
これらの活動資金は、ふるさと納税を用いた寄付によって集めています。
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