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2020.08.24

「全国で誰もがこども宅食をできる環境を作りたい」メンバー3人が宅食の未来を語り合いました

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「親子の ”つらい” を見逃さない社会をつくる」というミッションのもと、2017年から始まったこども宅食事業。

一般社団法人こども宅食応援団は、全国各地の実施団体と連携しながら、こども宅食事業の立ち上げ支援やノウハウの提供を行ってきました。2020年6月時点では、全国13地域19団体と協力し、支援の輪を広げています。

普段は活動報告の記事が多いですが、今回はどんな人がこども宅食事業の立ち上げ支援を行っているかに着目。各地を飛び回りながら事業を推進する3人の事務局メンバーがこども宅食事業に携わって感じたことや仕事の楽しさ、向き合うべき課題などについてざっくらばらんに話してもらいました。

事務局スタッフ紹介

今井峻介(いまい しゅんすけ):マネージャーとして事業を統括。前職がコンサル業だったため、企画書や打合せ資料の制作が得意。

本間奏(ほんま かなづ):応援団事業チームに所属。コロナ緊急支援プロジェクトも担当。法務、会計、税務の基礎知識がある。子どもが安心して生きられる社会を作りたいとの想いがある。

桂山奈緒子(かつらやま なおこ):文京区こども宅食事業推進を担当する傍ら、京都こども宅食の立ち上げに関わる。前職で企画や事業開発に従事。考えながら動き、具現化するのが得意。

食を通じてご家庭と繋がりを持ち、変化を見守る

こども宅食事業とは、「日常生活で困りごとを抱えている子育て中の家庭に対し、周囲に知られない形で定期的に食品や生活用品を届ける事業」のこと。ご家庭に食べ物を送るだけの活動に見えるかもしれませんが、目的は食品の定期的な配送を通じて支援が必要なご家庭と接点を持ち、変化を発見できる状況を作ることです。

こども宅食事業の運営主体は自治体や地域の民間団体などであり、こども宅食応援団はそれらの支援を主導する方々が適切に事業を推進できる環境を整える役割を担っています。これを伴走支援と呼んでいます。

始まりとしては大きく分けて2パターンがあります。ひとつは、自治体や社会福祉協議会(以下、社協)など公的な支援や相談支援などを行う団体が、入り口としてこども宅食を選択するケースです。現状ではサポートを受けるには、窓口に出向いて申請する必要があります。しかし私たちが今年5月に行った調査では、こども宅食の利用者の9割が何らかの支援制度を使っていないことが分かりました。より多くの人と接点を持ち必要な支援に繋げられるきっかけを持てるよう、宅食を利用するわけです。

もうひとつは、こども食堂のように「居場所」を提供する方が、困りごとを抱える方と繋がりを持つためにこども宅食を始めるケースです。子ども食堂では気になるお子さんが来ても、あまり詳しく聞くことはできません。そこでこども宅食事業を始め、ご家庭との関係性構築を図るパターンです。

冒頭でご紹介した通り、こども宅食応援団は、2020年6月時点で全国13地域19団体と協力しています。これから全国にこども宅食が広まっている状態を作ることが私たちのミッションです。

訪問に警戒していた家庭が進んでドアを開けてくれるようになった

それでは、3人にこども宅食事業のやりがいや難しいと感じることを話し合ってもらいました。

 

(今井)現地で支援活動をされている方々との信頼関係作りは大変でしたね。私たちは自治体の人間ではありませんし、その地域のことを良く知っているわけでもないので、「よそ者が来て何をするのだろう?」と警戒されることがあります。

全国で2例目、九州で初となる佐賀県では、2週間に1度ほどの頻度で関係者に会いに行き、こども宅食事業の内容や資金面についてくり返し説明をしました。このようにして事業への理解を深めていただきました。

やりがいとしては、お子さんが授業で使う裁縫セットや文房具を用意できない保護者のために必要なツールを揃えてあげられたことです。お子さんは自分の道具が持てて嬉しそうでした。

 

(本間)私が担当する宮崎県三股町では、「みまたん宅食どうぞ便」というこども宅食事業を行っています。今井の話にもありましたが、地域の方々との関係づくりが大変でしたね。事業が進んでいる現在でも、こども宅食の梱包作業がある日に出張に行くようにしています。食材のカットや梱包のお手伝いを一緒にやって、現地でこども宅食事業を進める方々と交流を持つよう心がけています。

大変なこともありますが、活動の手応えを感じて嬉しいなと感じる瞬間もあります。三股町で困りごとを抱えるご家庭と接してきた保健師や社協のコーディネーターの方とお話する機会を設けたのですが、以前は「手ぶらで訪問しても『見張りにきた、注意される』などと警戒されていた」状況だったといいます。

しかしこども宅食事業を始めてからは家庭を訪問するきっかけができ、進んでドアを開けていただけるようになりました」とのお言葉をいただいたのです。やってきてよかったと思えました。

活動が政府を動かした?こども宅食事業が第二次補正予算に組み込まれることに

(桂山)私は3人の中で入社してもっとも日が浅く、2019年8月にこども宅食応援団に参加しました。京都での立ち上げに関わり、市長とあだち福祉会理事、理事の駒崎の記者会見をセッティングしました。

政令指定都市で初のこども宅食事業という話題性の高い会見だったため、短期間でたくさんの企業が食品のご提供をしてくださいました。100世帯分を用意でき、お届けした世帯からは、LINEで嬉しい感想をたくさんいただきましたね。

同年秋に開催したこども宅食サミットでは、会場に与野党の議員の先生にご来場いただき、こども宅食応援団の理事である駒崎がアウトリーチ支援の拡充を求めました。その成果なのか、2020年度の国の第二次補正予算にこども宅食事業が組み込まれることが決まりました。資金調達や伴走支援といった大きな部分だけでなく、食品の梱包といった細かなところまで、幅広い業務に携われるのは楽しいです。

目標は、5年後にこども宅食応援団の仕事をなくすこと

続いては、こども宅食応援団のメンバーがどのように仕事を進めているのか、どのような社風のもとで働いているのかをご紹介します。東京の神保町オフィスに勤務するメンバーの例ですが、約8割はママ。育児と仕事を両立している人が多いので、「子どもが熱をだしてしまって……」というときにも柔軟に対応できます。お子さんを育てながら働く人の気持ちがわかりますからね。

またメンバーの大半が民間企業から転職しており、経験した業界も持っているスキルも様々。知っていること、得意なことが違うからこそ、助け合いながら仕事を進めています。

あとは決まった役割はあまりなく、全員が事業推進担当という感じです。「2020年度の第二次補正予算にこども宅食事業が入った」との知らせを受けたら、「次はどうすべきか」と考えて、行動する。決まったことをやるのではなく、状況に応じて臨機応変に動くことが多いと言えます。まだ3年目の新しい事業なので、周りと意見を出し合いながら作り上げてます。

 

最後に、こども宅食応援団が今後やっていきたいことをマネージャーの今井に話してもらいました。

(今井)新型コロナウイルスの影響により、対面を避ける動きが強まっています。そうするとより人との接点が持ちにくくなってしまいます。集まる場があっても、そこに行けない状況になるため、こども宅食のように個人の家に食品を届けて関係性を築き、変化を見守っていくというアウトリーチ型の支援はこれから重要度が増してくると思っています。

これからのことですが、今後5年でこども宅食事業を全国展開し、各地域に合った様々なモデルを作っていきたいですね。文京区のような都心では食材調達を寄付に頼るのに対し、新潟県では地元のJAに協力いただいて2週間で1トンのお米を確保できるなど、エリアによって状況は大きく異なります。決まったスキームを組めないので、いろいろな推進事例を作り、日本全国どこでも手を挙げればこども宅食事業ができる環境を整えていきたいと考えています。今後5年で、こども宅食応援団の仕事をなくすことが目標ですね。

writing:薗部雄一

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7月末、自民党議員の有志によってこども宅食議連の立ち上がりがニュースになり、こども宅食が国の制度に近づく動きが見えてきました。

今井が語った5年後の未来も、実現するかも知れません。

 

しかし、こども宅食が国の予算に組み込まれただけでは自治体や事業者がこども宅食を実施するのは難しいのも現実です。

こども宅食応援団が、各地での立ち上げ支援やノウハウ提供などの伴走支援をする活動は、みなさんからの寄付を原資に行っています。

 

自分が住んでいる地域にもこども宅食があったらいいな……と思う方はぜひ、寄付で応援よろしくお願いします

3人の対談の様子はこちらの動画でもどうぞ!

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