一般社団法人こども宅食応援団(佐賀県佐賀市、代表理事:駒崎弘樹、以下「こども宅食応援団」)、認定NPO法人フローレンス(東京都千代田区、代表理事:赤坂緑、以下「フローレンス」)(※)、株式会社ローソン(東京都品川区、代表取締役 社長:竹増 貞信、以下「ローソン」)は、「こども宅食を通じて地域とのつながり、地域の支援団体・親子との関係性を築く」をコンセプトに、東北3県(青森県、山形県、福島県)でこども宅食を実施する団体と連携し、ローソンの担当者が支援団体に食品、品物などを直接寄贈する「地域連携型フードドライブ」事業のトライアルを実施しました。
※こども宅食応援団は、認定NPO法人フローレンスグループであり、連携してこども宅食の全国普及に取り組んでいます。
今回のフードドライブ事業では、ローソンの東北カンパニーの担当者が、青森県、山形県、福島県でこども宅食を実施する団体に、ローソンの支店と一部店舗にて集めた食品や品物などを直接寄贈し、その結果、各県の対象家庭2,279世帯へ食品・日用品などが届けられました。ローソンの社員、店舗スタッフが支援団体へ直接寄贈するスキームにしたことで、物品の提供が迅速に完結でき、また、ローソンの想いを地域の団体、ご家庭へ直接届けすることができました。
――東北の各支店から、商品をお渡しいただく際の様子
「こども宅食」は、経済的に厳しいなどの困りごとを抱えた子育て家庭に、食品等を定期的にお届けしながらゆるやかにつながる関係をつくり、必要な支援につなげたり、地域での見守りを行う事業です。こども宅食応援団は、こども宅食の取り組みを全国に広げる役割を担っています。
ローソンは、SDGsの「食品ロス削減・子供の貧困などの社会的課題解決への寄与」に継続的に取り組んでおり、食品ロス削減とともに、地域にて困難を抱える方々に対しての支援活動を行う団体とフードドライブの取り組みを実施してきました。これまでも、こども宅食応援団とローソンは協力し、食品や日用品を全国へお届けしてきました。(参考URL:https://hiromare-takushoku.jp/2020/12/09/2648/)
企業からの物資寄贈における旧型モデルには、「中間支援団体が事業への関与や事務配分が大きいほど、企業と団体の心理的距離も遠くなる」ということや「配送や事務コストのオペレーションコストが多大に生じる」などの課題感がありました。全国に支店のある企業を例にすると、全国の店舗から寄贈品の取りまとめを一度、本社が実施し、その後、中間支援団体は物資の受け取り、保管を行い、各地の団体に配送するという形式を取っており、各地域のご家庭へ配布するまで多大なオペレーションコストが生じていました。また、中間支援団体が事業への関与や事務配分が大きいほど、企業と団体の物理的、心理的距離も遠くなり、企業の支援に対する想いが全国各地の団体や親子に伝わりにくいという課題もありました。
実施時期 :2023年6月~8月
参加した こども宅食実施 団体:青森県社会福祉協議会(青森)、一般社団法人やまがた福わたし(山形)、ほしくま児童家庭支援センター(福島)
受け取り総量 :1306.6kg
寄贈内容 :食品、日用品、文房具、電子用品等
延べ配布世帯数 :2,279世帯
<各社の役割>
ローソン ・青森県・山形県・福島県内の各支店と一部店舗にてパントリー品の収集 ・フードドライブ品の保管と仕分け ・ローソン担当者が宅食団体に物資を直接お届け 東北3県のこども宅食実施団体 フローレンス、こども宅食応援団 |
こども宅食応援団が、団体さんの日々の活動において奨励しているのは「つながり」づくりです。こども宅食事業では、様々な困りごとを抱えた子育て家庭に、団体さんが定期的な「食のお届け」を実施し、LINEや配送時の対面によるやりとりから、少しずつ「つながり」を育てていきます。そして、日々のコミュニケーションから、家庭の状況を把握したり、状況が悪化する予兆を見つけ、必要な情報や適切な支援につなげることを目指しています。
そのような「つながり」を大切にする姿勢を、地域連携型フードドライブ事業でも活かしたいと考え、ローソン、東北カンパニーの皆さん、団体の皆さんと丁寧に話し合いながら企画を調整、進めました。今回、ご家庭へ品物をお届けした地域の団体から寄せられたエピソードをご紹介します。
新しいご家庭とつながるきっかけになった
「受け取った物資のうち一部を、法人グループ内の保育所の入り口に設置しました。保育所の利用者に対して、ローソンさんの商品を使ってもらうためだけではなく、商品パッケージに『お困り事があったら、いつでもこちらにご相談ください』と紙を貼り付け、連絡先を記入しました。実際に何件かのご相談が数件あり、新しいご家庭とつながることができました」
本事業で品物をお届けしたご家庭の様子についても、嬉しいエピソードが寄せられましたので、一部をご紹介します。
お子さんが勉強に取り組むきっかけになった
不登校状態にあるAさん。勉強のきっかけになったら・・とローソンさんにいただいた国語・数学・日記のノートを受け取ったことをきっかけに、地域で実施している無償の塾に通い続け、3冊のノートを全て使い切りました。現在、進学に向けて受験勉強をしています。
大事な生活必需品を届けることが出来た
こども宅食を実施する団体が寄贈物資の中に新品のインナーを見つけた瞬間、ヤングケアラーのCさんを思い出し、すぐにお渡ししました。インナーは直接肌に触れるものかつ毎日使用するものであるため生活必需品ですが、ヤングケアラーのCさんは日々のケア活動があるため、自身のケア等は後回しになりがちであり、新品のインナーを購入・着用する機会は限られていたとのことです。そうした中で新しいインナーをCさんにお渡しし、Cさんが自分のケアを行うための商品をお渡しできて非常に良かったですとの声をいただきました。
――お届けいただいた品物の一部
こども宅食応援団は、経済的に厳しいなどの困りごとを抱えた子育て家庭に、食品等を定期的にお届けすることで少しずつ関係を築きながら、必要な支援につなげたり、地域での見守りを行う「こども宅食」の取り組みが全国各地で実施される未来を目指して、こども宅食の普及活動を行っています。
困ったときは手を差し伸べる誰かがいるような、安心して子育てできる温かな社会を作るため、こども宅食応援団にご協力よろしくお願いします。
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