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2023.12.08

【親子の支援を語ろうキャラバン】鳥取レポート 「つぶやきを相談にひきあげる」県域連携で取り組む支援の形

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こども宅食応援団は、親子のつらいを見逃さない社会にするため、「こども宅食」が全国各地で実施されるよう、日々活動しています。2018年末から始動し、たくさんの地域で実施の広がりを見せ、今年の春、全国で実施する団体数は38都道府県、108団体となりました。

そして今年度は、親子の支援に携わる地域の団体がつどい、語り合い、〝地域みんなで親子を支えるつながり〟を深める取り組みとして「親子の支援を語ろうキャラバン」を企画しました。

今回は、2023年10月23日(月)に第6回目として鳥取で開催された様子をレポートします。

親子の支援を語ろうキャラバン  https://hiromare-takushoku.jp/2023/06/08/5622/ 

  <イベント概要>

日時:10月23日(月)14:00~16:00
会場:2023年10月23日(月)、鳥取県立生涯学習センター (県民ふれあい会館)5F 講義室

  <プログラム>

・第一部 こども宅食応援団について  こども宅食応援団 理事 原水敦

・第二部 パネルディスカッション、座談会  

 <登壇者>

とっとり子どもの居場所ネットワーク“えんたく”  コーディネーター 福安潤一さん

鳥取市中央人権福祉センター 所長     ​​                                                                     一般社団法人 日本伴走型支援協会 理事   麒麟のまち地域食堂ネットワーク 事務局         川口 寿弘 さん

鳥取県で親子の支援に関わる皆さんが集まりました      

この日「親子の支援を語ろうキャラバン」に集まったのは、鳥取県で親子の支援に関わる皆さん。ご登壇いただいた、とっとり子どもの居場所ネットワーク“えんたく”コーディネーター福安潤一さん、鳥取市中央人権福祉センター所長で、一般社団法人 日本伴走型支援協会 理事、麒麟のまち地域食堂ネットワーク 事務局の川口 寿弘 さんをはじめ、鳥取県社会福祉協議会、倉吉市社会福祉協議会、八頭町社会福祉協議会、人権福祉センター、地元のNPO団体の皆さまなど、約16人が集まりました。

第一部では、こども宅食応援団の原水から「こども宅食」の概要や取り組む社会課題、また「こども宅食応援団」の活動内容について、動画も交えてお話しました。

・こども宅食とは https://hiromare-takushoku.jp/about/

・こども宅食PR動画 

【こども宅食について】https://www.youtube.com/watch?v=ZmGVaiSdBrU
【こども宅食応援団について】https://www.youtube.com/watch?v=KKMnqI4fGGM

――こども宅食応援団 理事 原水敦

令和5年10月現在、鳥取県にはこども宅食応援団に登録し活動している団体はありません。ご参加頂いた皆さんは、こども宅食の取組みを「新たな支援の形」と捉え、熱心にメモをとりながら説明を聴いてくださっていました。

鳥取県内にはアウトリーチ型の支援を行っている団体もあり、特に、訪問で行う支援の強み、利用者さんとの関係をどのように築いていくか、助成金についてなど、より具体的な情報に高い関心を寄せて頂きました。

パネルディスカッション・座談会  

第二部では、とっとり子どもの居場所ネットワーク“えんたく”コーディネーター福安潤一さん、鳥取市中央人権福祉センター所長で、一般社団法人 日本伴走型支援協会 理事、麒麟のまち地域食堂ネットワーク 事務局の川口 寿弘 さん、お二人にご登壇いただき、鳥取県内の支援についてご紹介と、参加して下さった皆さんとの座談会を行いました。

とっとり子どもの居場所ネットワーク“えんたく”は、未来ある子どもたちが安心して集える場所を増やしたい!という思いで平成29年11月に設立されました。こども食堂(地域食堂)など子どもを中心とした居場所づくりを行う運営者と、その活動を応援する方(団体)が一緒になって、取組みや活動の輪を広げ、地域社会全体で子どもたちを支える仕組みづくりを目指しています。

ーーとっとり子どもの居場所ネットワーク“えんたく”コーディネーター福安潤一さん

鳥取県では、2022年度の調査(むすびえ実施箇所数調査)によると、県内の小学校117校に対し、こども食堂などの、こどもの居場所が70ヶ所(うち小学校区53ヶ所)充足率43.97%と全国3位となっています。(2023年度10月時点で82ヶ所)

えんたくでは、県内全域のこども食堂へ、安定して食料品や生活用品などを配送できるよう、食材の確保、配送ネットワークづくりを行っています。

食材を一時保管するための「食材保管拠点」も鳥取市地域食堂ネットワークと協働で3カ所整えました。企業や団体から預かった食材を各保管拠点に配分し、こども食堂実施者が拠点にて受取を行う配送システムで県内全域をサポートしています。

ーーキャラバン講演資料より 県内3カ所に食材の保管拠点をつくり迅速な食材提供をおこなっています(冷蔵庫・冷凍庫を完備)

また、えんたくでは、寄付金の募集・配分のネットワークづくりにも取組み、こども食堂などの運営ボランティアスタッフの確保も行っています。情報交換・勉強会・相談支援などについても県内全域で連携をとりながら行うことで、よりスムーズな支援体制が築かれています。

とっとり子どもの居場所ネットワーク“えんたく”                                                                 公式サイト: https://mirai.roukyou.gr.jp/tottori-children-future-support-network/index.html

ーー鳥取市中央人権福祉センター所長 川口 寿弘さん

つづいて、鳥取市中央人権福祉センター所長で、一般社団法人 日本伴走型支援協会 理事・麒麟のまち地域食堂ネットワーク 事務局の川口 寿弘さんに、鳥取市の取組みついてお話をうかがいました。鳥取市では、子どもを中心に地域の様々な人が集う居場所、 多様な人や社会資源が繋がる場を「地域食堂」と名づけ、地域の多様かつ多世代の交流拠点として展開しています。

また、「地域食堂」が継続的・安定的に運営を行えるよう、官民連携による地域食堂への支援を行うための「地域食堂ネットワーク」を発足し、運営団体、支援団体、行政が連携し、互いに支え合う仕組みを構築しています。

ーーキャラバン講演資料より 鳥取市における官民連携プラットフォームの全体像

鳥取市では、現在「地域食堂」充足率が70%を超えています。 

困難を抱えている方のつぶやきを受けとめ、一番身近にある地域食堂で、早期に支援できる体制を創っていこうと、官民連携によるプラットフォームを形成し問題解決のための支援をおこなっています。継続して支援を行えるように、地域食堂立ち上げ時だけでなく、運営費についても助成が整っており、安定した事業運営を行うことができます。

また、地域に根差す「つながりサポーター」の育成も行い、アウトリーチにより、孤独・孤立をかかえた住民を早期に把握・見守り(声かけ)を行えるように、地域皆で支え、見守る仕組み作りにも力を入れています。

「地域食堂」充足率100%を目指して、県内の行政・団体が連携し仕組みを整えることで、県内全域に支援の輪が整い拡がっています。

「こども宅食」に取組む全国の団体には、こども食堂の運営を行いながら、気になる家庭や、事情があって食堂に足を運ぶことのできない家庭へ訪問し、食材や日用品のお届けを行っている団体が多くあります。

討論会では、こども食堂の実施者が、どのように宅食を取り入れるようになったのか、そのプロセスが知りたいという質問があり、佐賀で立ち上げ支援を行っている応援団スタッフから、立ち上げの際の事例を紹介させて頂きました。鳥取キャラバンにご参加頂いた皆さんは、こども食堂の運営や支援を行う方がほとんどで、実際にアウトリーチに取組む団体もあり、訪問することで親子の関係性や困りごとを知り、必要な支援につながるきっかけ作りを行う「こども宅食」の取組みに、共感の声が寄せられました。

鳥取県内でアウトリーチを行っている支援団体の方からは、 

「お弁当の配達を行う中で、これまで気づくことのなかった困りごとに触れたり、 訪問することでの新たな気付きと出うこともある。地域の方からの紹介で、この 家庭にも届けてほしいと訪問家庭が増えてきている地域もある。」

「見守りが必要な家庭に出向いてもなかなか心を開いてくれない時期があり、信頼 関係を築くために、名札をはずして、支援者の顔ではなくママ友の気持ちで『最 近どう?』とお弁当をもって通い続けている。1年以上かかってようやく信頼関係ができつつあり、表情も明るくなってきた。」

「アウトリーチを行っているがまだ少数。身近にもっと多く支援を必要としている 家庭があるのではないかと感じている」

「訪問することで見えてきた、分かってきたことを支援につなげるにはどのように 地域で支えていけばいいのか、という新たな視点も見えてきた」

など、アウトリーチの取組みで感じていることも聞かせていただきました。

今回のキャラバンを通して、産・学・官・民が連携し、地域での見守り支援の形を整え、困りごとに寄り添い解決へと導く、鳥取県の支援の形を学ばせていただきました。

参加者の感想 事後アンケートより

「こども食堂は顔をみて交流をすることを目的として、あたたかい食事を届けたいという思いで運営しているが、来所できない方がいてお届けをできるというのはいいと思った」

「中間支援組織として協力できるところを考えていきたい。」

「県外の事例ももっと知りたいと思った」

「支援の届いていない家庭へのアウトリーチのイメージを含まらせられた」

「生活困窮者自立支援事業につながるケースだけでなく、行政が必要と考える世帯にも支援 が届けられる仕組みの連携を考えたいと思った」

「地域とのつながりをより一層深いものにしたいと思った」

「支援の形が集合であれ、宅配であれ、つながり続けてつなげるきっかけになることと理解した。相談支援の入口に立つ事の困難さを感じているので、様々な取組みをしていく必要があると感じた」

「宅配で食材を配達することは、もしかしたら一番みんなが喜んでくれる事だとおもった」

12月は、山形でキャラバンを開催

「親子の支援を語ろうキャラバン」、次回は12月15日(月)13時30分~16時、山形市で開催します。

  山形県で親子の支援にかかわる皆さま、ぜひお越しください。

    日時:12月15日(金)13:30~16:00

 会場:山形県山形市 山形テルサ研修室A  https://yamagataterrsa.or.jp/

    山形市双葉町1-2-3  ※駐車場は近隣の有料駐車場をご利用ください 

<パネラー>

<こんな方におすすめです>

社会福祉協議会、児童家庭支援センターなどの社会福祉法人、こども食堂の実施者、フードバンク事業者、居場所事業者、こどもの学習支援事業者、母子会、病院、学校、保育など、親子の支援に関わる団体の皆さまのご参加をお待ちしております。

 「親子の支援を語ろうキャラバン」詳細・お申込みはこちらから

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