2022年12月末、こども宅食を実施する14団体を通して、全国の子育て世帯にクリスマスケーキをお届けしました。本記事では、この企画が実現するまでの流れや、ご寄付いただいたジュン アシダのご担当者がどのような想いで実施されたか、また全国の団体さんの声、配送先のご家庭の声について、お届けいたします。
こども宅食応援団は、2022年、ファッションブランドTAE ASHIDAより販売開始されたアニバーサリーチャリティTシャツ「30TH ANNIVERSARY CHARITY T-SHIRTS」の売上の一部を寄付いただく寄付先に選定いただきました。本チャリティは、デザイナーの芦田多恵さんがテレビで日本の子どもの貧困が取り上げられているのを見て「明日の食事にも困っている子どもたちの姿に衝撃を受け、日本人として放っておけない。また1人の母としても、子ども達にはいつもお腹いっぱいで元気に育ってほしい。」という思いを持たれたことで、「こども宅食」を多くの人に知ってもらいたい、という願いを込めて、こども宅食応援団を寄付先にお選びいただいたことがきっかけです。
https://hiromare-takushoku.jp/2022/04/19/4506/
そして、ご寄付の使途として、年末に向けて「全国のこどもたちにクリスマスケーキを届けよう!」と企画が立ち上がりました。
こども宅食のご利用世帯の中には、経済的な理由やその他の理由でケーキやプレゼントを用意できないままクリスマスを迎えるご家庭があります。「たくさんの親子が笑顔になるように、温かなクリスマスを過ごしてほしい」と願いを込めて、TAE ASHIDAを展開するジュン アシダのご担当者との打ち合わせを重ね、全国の14の支援団体を通して、514世帯にホールケーキをお届けすることができました。
各支援団体は、地元のケーキ屋と連携。ご家庭にはカタログなどでケーキを事前に選んでもらうことで、「ケーキを選ぶ楽しさ」も提供しました。
こども宅食は、ふだん社会の中では見えにくい、さまざまな困りごとを抱えたご家庭へ「出張る福祉」としてアプローチする取り組みです。各地域に根ざした活動をする支援団体が年々増えており、現在は全国104の団体がこども宅食を実施しています。
今回、クリスマスケーキをお届けすることで、支援団体から寄せられた声をご紹介します。
● ケーキのチラシを持って行った時、小学1年生の男の子が本当に嬉しそうにケーキを選んでくれたのが印象的でした。ケーキを届けた時も満面の笑みを浮かべて受け取ってくれました。その後自宅を訪問をすると、今までは玄関から出てきてくれませんでしたが、その時は靴を履いて外まで出てきてくれました。「玄関の扉と心の窓を開いてくれた瞬間」でした。
● 私たち1団体ではできないことを、こども宅食応援団やジュン・アシダ様のご協力で実施できたことに大変感謝しています。今後も新しい企画があれば、チャレンジしたいと考えています。
● 子どもたちにとって、クリスマスやクリスマスケーキは特別な物なのだということが、ヒシヒシと伝わってくる企画でした。
「ケーキをもって、バスに乗るとき自慢だったよ!」
ご家庭からも、喜びの声がたくさん寄せられました。
● こんなに大きなケーキ初めて!ケーキカットをしたよ。ケーキをもってバスに乗るとき自慢だったよ。
● 子どもには、「今年はサンタさんは来ないかもしれない」と話していたが、ケーキやプレゼントが届いて、子どももわたしも大喜びしました。感動しました。
● こんなに贅沢なクリスマスは数年ぶりです。ケーキを開けた途端、子どもたちから悲鳴が上がりました!本当にありがとうございました!
今回、クリスマスケーキは単にお届けするだけではなく、各団体には利用家庭にケーキを「複数の種類の中から選んでいただく」という機会の提供をお願いしたことで、ご家庭が「一方的に支援を受ける」のではなく「主体性を持って、自分で選ぶ」という経験にもなりました。
ある支援団体のご担当者は「子どもたちが自分で選ぶという経験や、その選ぶ時間にわくわくしたりする経験は、心も体も幸せな気分にするという素晴らしい効果があると感じました」と述べ、こども宅食応援団としても、生活が大変な中でも「自分で前向きな選択をする」という機会をご家庭に提供できたことを、大変嬉しく思います。
また、今回の取り組みは各地域の地元のケーキ屋さんにご協力いただいたこともポイントでした。「ケーキの注文の電話をいただいた際、電話越しでケーキを選ぶお子さんの声が聞こえてきた。楽しそうにケーキを選んでいる様子が分かり、お子さんにケーキを選んでもらえてよかった」という声も寄せられました。
本企画を実現するにあたり、温かな想いを寄せてご支援してくださったジュン アシダのご担当者おふたりに、振り返ってお話を伺いました。
株式会社 ジュン アシダ 商品企画部 千田 瑞枝氏
「デザイナー芦田多恵が、メディアを通じて親子が抱える食の課題について、何かをしたいという思いに突き動かされたことがきっかけで今回のプロジェクトが始動いたしました。販売したチャリティTシャツは芦田が撮影した美しい花の写真がモチーフとなっております。
こども宅食応援団様とプロジェクトを進めていく過程で、家庭における食の大切さを学びました。食は、空腹を満たす、ということだけでなく心の部分にも大きな役割を果たします。今回の企画での体験が、子どもたちにとって大人になってからの心の支えの一つとなれば幸いです。
今回のプロジェクトでは、”思い出を子どもに提供すること”の価値をより一層強く感じました。」
株式会社 ジュン アシダ 商品企画部 原 康二氏
「見える形で、支援をさせていただいたのが良い経験となり、嬉しく思っています。弊社としても、支援をできるだけ広い範囲で行いたいという想いを、しっかりとご家庭まで届けていただき、感謝しています。お金だけの寄付ではなく、こうして経過をしっかり見ることができる取り組みが社会に与える影響はとても意味があると、私自身大きな学びになりました。」
こども宅食応援団は、経済的に厳しいなどの困りごとを抱えた子育て家庭に、食品等を定期的にお届けすることで少しずつ関係を築きながら、必要な支援につなげたり、地域での見守りを行う「こども宅食」の取り組みが全国各地で実施される未来を目指して、こども宅食の普及活動を行っています。
ジュン アシダのようにファッション業界など様々な領域で活躍される企業・団体の皆さんとともに活動を推進することで、私たちの取り組む「親子のつらいを見逃さない社会」を目指す活動をたくさんの方に知っていただくことにつながります。
困ったときは手を差し伸べる誰かがいるような、安心して子育てできる温かな社会を作るため、こども宅食応援団にご協力よろしくお願いします。
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