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隠れている地域課題をみつけ、地域で解決できる環境づくりを――鹿児島県南さつま市 てしおて・おとどけ便

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鹿児島県南さつま市に拠点をおく「NPO法人てしおて」は、2017年にスタートした団体です。フードバンクを主として、子ども食堂・学習支援、居場所づくり、イベント企画など、地域に根ざした活動を行っています。こども宅食は、2022年からスタートしました。

てしおてでは、団体開設当初より、子ども食堂「てしおて食堂」の運営を行っています。

一人でもはいれて、みんなで一緒に作って食べる場所、世代をこえて楽しさを分かち合うことのできる、誰もが集まれる居場所作りをと、月に1度行っている活動です。

コロナ禍では、思うように活動ができず、食堂での食事ができないという制約の中、お弁当を作って配布をおこなったり、食堂まで来ることのできない方へは、お弁当や品物をお届けしたりと支援の形を工夫して活動を行ってきました。

てしおて代表の崎山さんは、この数年試行錯誤しながら運営をおこなう中で、「待ってるだけでは支援が届かないのではないか」「本当に困っている方は足を運ぶことさえ難しいのではないか」というもどかしさを感じるようになっていました。

そんな時出会ったのが、こども宅食の活動でした。

――地域の主婦が集まってスタートした「てしおて」の活動。万世地区公民館を拠点として様々な活動がおこなわれています。

やりたかった支援がここにあった「こども宅食」との出会い

「これまで疑問に思っていたことや、やりたかった事が具現化できるのはこれだ」

こども宅食の仕組みと出会った崎山さんはこう感じたそうです。

これまでの活動がよりステップアップできる、と迷わずこども宅食をスタートしました。

現在のお届け先は、9世帯。お届けは月に一度、配達は崎山さんがひとりで担っています。

お届けする品物の量の目安は、食材や生活雑貨などを約5kg 。プラスしてお米と、その時届いた野菜や卵などの生鮮食品を一緒にお届けしています。品物は、地域の方のご寄付やてしおてで運営している「フードバンク」から調達しています。

お届け世帯のほとんどはひとり親世帯です。申込みのあった世帯へは、必ず面談を行い、ニーズを伺うようにしています。

――かごいっぱいに食材を詰めてお届けします

初回の面談時も、食材を持って出かけます。

大切にしていることは、「地域にいる身近で気さくなおばちゃんでいる」ということ。

私はこういう人です。と名刺を渡すことはないけれど、私ってこういう人なんですよと、会話をしながら、親しみやすく話しやすい存在になれるよう心がけていらっしゃるそうです。

毎月のお届けも、1件1件ゆっくりと時間を使いたい為、一日に何件も行くことはできません。世帯ごとに日時を相談しお届けするようにしています。

お届け先は、自宅だけではありません。自宅へ来ることに抵抗があるような方に対しては、最寄りの駐車場で待ち合わせをしてお渡しをすることもあるそうです。

さも家に行きたいというそぶりに、抵抗感を感じる方もいるのです。

そんな方へは無理に距離を縮めることなく、ゆっくりと関係性を築いていきます。

場所はどこであれ、会話をすることで、世帯の抱える困りごとを知ることができます。はじめは心を開いてくれなかったお母さんも、ここだけの話だけれどと、心の内を聞かせてくれるようにもなりました。お届けするその人の状況にあった関わりを持つことを大切にして、心の距離を少しづつ近づけていくのだそうです。

――「てしおて」手作りのお弁当。手間をかけ愛情を込めたお弁当が届けられます。

「品物が欲しい」それだけではないのが「こども宅食」

こども宅食のお届けを始めて感じていることは、「品物が欲しいだけでない、その先にある必要な支援がある」ということ。会話をする中で世帯が抱えている困りごとや、お母さんが抱えている不安を知ることができます。行政や地域とつながることで解決されることがあれば紹介をします。しかし、深刻な状況、簡単には解決が難しい事柄に出会うこともしばしばです。そんな時は不安に寄り添い、聞くことを大切にされているそうです。

不安を抱えながらの子育て。相談する相手がいないことで、より孤立感を増している方も多く、月に一度のお届け時に思いが一気にあふれて話が途絶えないという方も。

誰にも言えない、行政にも話せない、そんな悩みを、崎山さんならと聞かせてくださる方もいるのです。

近所の気のいいおばちゃんとして、話したいときにつながれる。助けてほしい時に助けてと言える。そんな存在でありたいと崎山さんは活動を行っています。

――学習支援に参加された際にも、品物をお渡ししています。

隠れている地域課題をみつけ 地域で解決していきたい

てしおての活動は、フードバンク・子ども食堂・学習支援・居場所づくりと多岐に渡っています。一貫しているのは、身近な方が住みやすい地区になるような活動を行いたいという思いです。

活動を行う中で、こんな気づきがありました。

それは、こども宅食や子ども食堂を利用している方の多くが、地区から少し離れたエリアの方が多いということです。利用していることを知られたくない。地元でない場所で利用をした方が、気持ちが楽といった側面があるのかもしれません。

離れた場所に住む方がこんなに多くの支援を必要としているということは、この町、この地域に、まだ出会えていない支援を必要としている世帯がたくさんあるのではないか。

まだ見えない、隠れた地域課題をみつけ、地域で解決していくことができたなら、もっと住みよい町にすることができるのではないか。そう考えています。

地域のインフラとして今後必要となる「フードバンク」・交流拠点ともなる「子ども食堂」

わいわい楽しく学ぶことのできる「学習支援」・そして、子育て世帯の困りごとに寄り添える「こども宅食」、どれも、地域課題を地域で解決していく為に大切な役割のある活動です。それぞれの特性を活かした支援を連携して行うことで、隠れている地域課題をみつけ、孤独をなくし暮らしやすい地域を作っていく、それが、てしおてが考える活動の目的です。

――夏休みに開催した「子ども広場」 イベントにはたくさんの地域の方が参加しています

次の世代の支援者へ繋いでいく

こども宅食をはじめて半年がたち、お届け世帯との関わりも、少しづつ変化を感じられるようになってきました。地域の方々からの理解も高くなり、関心を持って関わってくださる方も多くなっています。

こども宅食をはじめた事で、てしおての活動も、できることの可能性が大きく拡がったと感じられるようになりました。

崎山さんがこれから取り組んでいきたいことは、次の世代の支援者へ思いを繋いでいくということです。

まずは自分からと、これまで一人で担ってきたこども宅食のお届けも、もっと多くの方にお届けができるようにするためには、スタッフと役割分担を行い、お届けに参加してもらうことを検討しなくてはなりません。「ただ品物を届ければいい」それだけではない活動であることをスタッフへ伝えていくことも、大切な思いの共有です。

てしおての活動は、地域の方の大きな理解と協力を得て拡がりをみせています。「今はまだスタートラインにたったばかりです。」とおっしゃる崎山さん。

そのあたたかく強い思いは、たくさんの方の心を動かしています。

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