佐賀スタッフの井内です。最近の佐賀事務局は大忙し…なぜなら
本年度新たに創設した「佐賀未来こども宅食トライアル助成」の説明会を、2020年7月31日、8月18日の2回にわたって、佐賀市内・唐津市内で開催しました。
2018年10月に佐賀県で誕生した一般社団法人こども宅食応援団では、佐賀市内のCSO(※)を対象に、2019年度から2団体に助成を続けています。2年間の伴走支援の中でこの2団体は、目標とした20世帯を超える子どもたちへの支援を継続し、それぞれに全国のこども宅食事業のモデルとなる取り組みへと発展しています。
(※CSO:Civil Society Organizations(市民社会組織)の略で、NPO法人、市民活動・ボランティア団体に限らず、自治会、婦人会、老人会、PTAといった組織・団体も含めて「CSO」と呼称しています)
そんな中、新型コロナウイルス感染症への影響で、経済的な困難を抱えるご家庭はより深刻な状況に置かれています。5月に実施したアンケートによると、回答者の1,015件のうち約8割が「生活が苦しくなった」と回答し、84.3%が支出増など、家庭への深刻な影響がある一方、ほとんどの家庭が行政・地域の支援メニューを利用できていない実態が明らかになりました。
そこで佐賀県を拠点に活動を続けるこども宅食応援団として、佐賀県内のより多くの子育て世帯を対象としたこども宅食のトライアル助成を、アドバイザーでもある「一般社団法人佐賀未来創造基金」様とのコラボ助成という形で実現できました。
7月22日に案内を始めたこの助成金。「さが・こども未来応援プロジェクト実行委員会」のご協力のもと、佐賀県内で子どもの居場所事業に取り組む団体を中心に、助成金の案内を開始しました。助成金の案内とともに、コロナ禍におけるこどもの居場所事業の現状についてもインタビュー。その中では、「(こども食堂に)コロナ前に来ていた子どもたちの顔を見なくなった。どうしているか心配」という声や「宅食をやりたい!と思っていた。ぜひ説明会に参加させてください」というお声もいただきました。
参加された方々からは、「こども宅食の説明がとてもわかりやすかった」「助成金に応募してみたいと思う」というお声をいただく一方で、「自分たちにできるか自信がない」「実際に対象となる世帯との接点の作り方がわからない」「協力してくれる人を集めることができるか不安」といったお声もいただきました。
私は昨年8月から佐賀事務局スタッフとして活動しています。当初は知り合いもなく、何をどうすすめていけばよいのかさえわからない、心細く手探りの毎日でした。
しかし、今回説明会を開催するにあたって、ご挨拶とご案内にうかがうと「応援してるよ」「一緒に佐賀を盛り上げていこうね」「〇〇さんにもご案内してみたら」と声をかけていただきました。さらに、持参したチラシをお知り合いに渡していただいたり、ポスターサイズに拡大し広報していただいたり。いま思い出すだけでも感激します。本当にありがとうございました。
今回、数多くの現場に行きました。これまでは佐賀居場所ネットワークの交流会などに出席し、こども宅食応援団の説明をする機会も多くありました。また、他の団体の活動も教えていただきました。
しかし、実際に行ってみないと聞けないことや感じられないものがそこにはありました。
スクールコーディネーターと連携し、気になる子どもに食品を持って訪問されていたり、自宅にも学校にも自分の居場所を見つけられずにいる子どもが毎日立ち寄る、ただそこに静かに寄り添う……。また、お寺の居場所は地域の方との関係性も素晴らしく、人も物も整えられた仕組みができていて広々としたお堂で元気に走り回る子どもたちがいました。
現場で実際に子どもたちと対峙している方々の生の声にふれることもできました。そして、各地域、各団体における事情はそれぞれ異なり、オリジナルの伴走支援が必要であることにも気づかされました。「もっともっと現場にいかなくては!!」という思いに駆られています。
佐賀県に拠点を置く私達だからこそ、しっかりと寄り添いつつそれぞれの団体にあった形で伴走すること。そしてトライアル助成を経た半年後にはそれぞれの地域の行政や関係者の応援をもらいつつ、自立したこども宅食事業へと発展していくことのきっかけを創っていく意義を強く感じました。そして、このトライアル助成をきっかけに、佐賀県内のより多くのこども世帯の「助けて」の声を引き出すきっかけを届けることができたら……と感じています。
「佐賀未来こども宅食トライアル助成」の応募は8月31日で締切となりました。これから応募いただいた団体の審査等を行い、助成先団体を決めていきます。
佐賀で、新たなこども宅食が誕生するのを今しばらくお待ち下さい!
こども宅食応援団が実施する、こども宅食実施団体の立上げ支援・伴走支援は寄付を原資に行っています。
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