こども宅食応援団では、虐待防止月間である11月から「困っていても”助けて”が言えない人がいる」「必要な支援が届かない現実がある」という社会問題についての認知度を高め、みなさんとともに解決方法を考える特集企画『#つらいが言えない』を開始します。
この特集を通じて、これまで見えづらかった支援の現場で今起きていること、家庭や支援者の生の声をさまざまな形で伝えていきます。
また、『#つらいが言えない』というキーワードを通じて、この問題についての認知度を高め、解決に向かって動く人を一人でも多く増やすことを目指します。
つらいが言えない家庭、支援が届かない家庭がいる。
近年、「こどもの貧困」といった言葉が注目されるようになりました。
自治体や地域のNPOのみなさんの努力によって、各地域で「こども食堂」のように親子に食事を提供したり、こどもにとっての居場所を作るような事業も増えてきています。
そういった中で、わたしたちが推進している、ご家庭に直接食品や生活用品を届ける「こども宅食」という事業がなぜ必要なのか?
それは、様々な事情によって苦しい状況に置かれていても、『つらい』という声を上げられない、助けを求められない親子がいるからです。
こうした家庭においては、子育てや就労状況が悪化しても声が上がらず、誰にも気づかれずに状況が進行してしまいます。
例えば、2017年度に起きた58件の虐待死について、半数以上が行政などの子育て支援を利用していないことがわかっています。
必要とされる人に支援が届いていない現状があるのです。
窓口で待つのではなく、こちらから出向いて直接支援を届ける。
『つらい』という声が出せない、つながりのない親子の「声なき声」は行政や民間の相談窓口には届きません。
こうした家庭に支援をとどけていくためには、窓口で待っているだけでなく、こちらから手を差し伸ばす「アウトリーチ」が必要になります。
しかしながら、継続的にご家庭と関わっていくことは容易ではなく、効果的な手法が確立されていないのが現状です。
わたしたちは、このような状況を打破するための手段の一つとして「こども宅食」を位置づけています。
こども宅食事業は、食品の配送によって利用家庭のQOL(生活の質)の改善を目指すだけではありません。
配送を通じて家庭と良好な関係を築き、コミュニケーションの中で困りごとやその予兆を早期に発見し、必要に応じて適切な支援を行うことで、重篤化の予防をすることを目指しています。
『#つらいが言えない』を通じて「声なき声」を届けて社会を変えたい。
これは、わたしたちがとある地域に出張に行った際に、実際に自治体の担当者の方から言われた発言です。
この一言に、わたしたちが直面している問題が集約されていると言っても過言ではありません。
対象者が多い「待機児童」といった問題と比べ、「困っていても声をあげられない家庭がいる」という問題は直感的にわかりにくく、共感を得づらい面があります。
また、声を上げない、つながりにくい家庭の声や実態はその性質上、表に出てこないことが多く、社会全体で情報が少ない、という面もあります。
「こうした状況をどうにかして変えていきたい」という思いを胸に、わたしたちは『#つらいが言えない』という企画を立ち上げることにしました。
Webコンテンツという形でさまざまな情報発信をしつつ、支援者のみなさんにはハッシュタグ「#つらいが言えない」を活用して、Twitterで当事者としての声を上げてもらうことで、この問題の認知度を上げていきたいと考えています。
これまでも「保育園落ちた日本死ね」などインターネット上の小さい声がきっかけで社会が大きく動いたことがあります。
直近では「#助けて多胎育児」というアクションによって多胎育児の大変さが報道されるようになったり、「#この髪どうしてダメですか」というアクションによって、東京都の教育委員会が動きました。
こども宅食応援団では、つらいが言えずに「声なき声」を抱えているご家庭の声に耳を澄ませ、その声をたばねて社会に届けるという役割を担いたいと思っています。
また、わたしたちは、全国の各地域で現場でご家庭の支援に取り組んでいるみなさんの声も届けていきたいと思っています。
これまで全国各地に赴く中で「困っている人をなんとか助けたい」という純粋な想いを胸に、必死で声を上げ、駆け回っている人に出会ってきました。
そのたびに、現場のみなさんの支援に向き合う真摯な姿勢と、人に対するやさしい眼差しに胸を打たれてきました。
わたしたちは「『つらい』と声を上げたときには、その声を聴いて真剣に助けようとしている人がこの社会には確かにいること」を知っています。
そのことを社会全体に届けていくことが、今、困難を抱え、孤立しているご家庭の安心に、支援につながるはずだと信じています。
「つらいが見逃されない社会」を目指して
「つらいならそう言えばいい」、「言えば助けてもらえるのに、声を出さないのは自己責任」という考え方もあると思います。
「助けてという人と助けたいという人がいるわけだから、あとはマッチングの問題」という見方もできると思います。
しかし、わたしたちは、この事業に関わっていくなかで、各地域で困難を抱えているご家庭や、その支援のために様々な活動をしているみなさんの声を聞くようになって、そういったある意味シンプルな見方、考え方で、この問題に関わっていくことはできない、とより強く思うようになりました。
わたしたちがこの事業を通じて体験したことをこの企画を通じて少しでもみなさんに届けることができれば、そういった難しさが伝わるのではと思っています。
自分ごととして関わっていきたい
こども宅食応援団の事務局メンバーの多くは子育てをしながらこの事業に取り組んでいます。『#つらいが言えない』は自分や、自分のこどもたちにも関わってくる問題であり、決して他人事ではありません。
この問題をどうにかできないか、自分たちの次の世代に引き継がれていかないように今できることはないか、いつも考えています。
『#つらいが言えない』を通じて、みなさんにもこの問題をどうやって解決していくか、そしてどうやって社会を変えていくか、一緒に考えて変えていく仲間になってもらえればと思っています。
それこそが、こども宅食応援団がビジョンとして掲げている「つらいが見逃されない社会」に近づいていくための大事な一歩になると信じています。
みなさんに協力して頂きたいこと
①この記事のシェア、拡散をお願いします!
勇気を振り絞って自分たちができる限りの大きな声を出して記事を書いてみたものの、社会全体から見れば「世界の片隅であがった弱々しい声」でしかなく、なかなか遠くまで届きません。
この記事が心が動く誰かが必ずいるはずだと信じているので、ぜひFacebookでのシェアやTwitterでの拡散にご協力ください。
また、あなたの「#つらいが言えない」の投稿も大歓迎です。
②SNSのフォロー、メールマガジンの登録にご協力ください!
今後、1週間に1本程度の頻度で『#つらいが言えない』に関する記事を公開していく予定です。SNSやメールマガジンで定期的に情報を公開していきますので、ぜひアカウント登録をお願いします。
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③「返礼品なしのふるさと納税」で活動支援をお願いします!
「こども宅食」には該当する制度がないため補助金がつきません。
そのため、全て自己資金で運営をまかなっており、現在は「返礼品なしのふるさと納税」を財源として活動をしています。
今回のような広報、ソーシャルアクションだけでなく、自治体や地域のNPO団体向けのこども宅食事業の立ち上げ支援、事業者向けの「こども宅食サミット」の開催など、事業の全国展開に向けて幅広く活動を進めておりますが、継続していくためにはみなさんの支援が必要です。
ぜひご支援お願いします!
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