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親子の困難が放置されない社会へ。【文京区こども宅食】がつなぐ1000世帯の命

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文京区こども宅食は、経済的に厳しいご家庭に、食品を届ける事業です。文京区と6つの民間団体が協働して運営しています。

2017年10月に150世帯に対して事業を開始。2018年度は570世帯に、2ヶ月に1回ごとに自宅に食品を届けてきました。2019年は約600世帯へとご利用家庭は拡大しています。

文京区こども宅食は、食品の配送が一番の目的ではありません。

食品の配送を定期的に行うことで、ご家庭を見守り、いち早く困りごとをすくいあげ、必要なサポートにつないでいくことを大切にしています。

これらは、文京区こども宅食に申し込んだご家庭からの声です。現在、行政やNPOなどが様々な手段で、経済的に厳しいご家庭をサポートしています。

しかし、物理的・精神的な理由や、そもそもサービスの存在を知らないなどの理由から、サポートにたどり着けないご家庭がいるのです。

その結果、孤立してしまい、誰にも相談できず、追い詰められてしまい、病気や育児うつ、虐待など、さらなる困難な状況に陥るリスクがあります。

文京区こども宅食が開始されてから、窓口に相談に来てくれるのを待つのではなく、事業者が自ら足を運ぶ必要性を痛感しています。

文京区こども宅食の5つの特徴

ご家庭の経済的な状況を、唯一、把握しているのは自治体です。

こども宅食では、文京区も運営に参加することにより、経済的に厳しい状況にある、児童扶養手当や就学援助(※)を利用するご家庭すべてに、漏れなく利用案内のチラシを送ることができています。

※児童扶養手当はひとり親家庭に手当を支給する事業で、就学援助は就学に必要な費用(学用品や給食費など)の援助をする事業です。いずれも一定所得以下のご家庭のみが対象です。

経済的に厳しい状況の中、「人目が気になる」「平日に仕事が休めない」などの理由で、自治体の窓口に行くことができないご家庭もいます。

こども宅食では、そんなご家庭でも利用できるように、LINEで24時間いつでも、どこからでも利用申込ができます。

また、LINEに加えて、電話、申請書類の郵送、窓口での申請の4つの申込方法があり、ご自身に合った方法を選ぶことができます。

食品は配送会社がご自宅に直接お届けするので、近所の目を気にせずに、食品を受け取ることができます。利用家庭にアンケート調査を実施したところ、「周囲の人からわからない形で支援されたい」というニーズが多く見られたため、引き続き周囲から見えない形でのサポートを続けていきます。

こども宅食では、ご家庭の変化や困りごとに気づけるよう、定期的に食品を届けて、ご家庭と接点を持ち続けています。

配送を担当しているのは、ココネット株式会社。高齢者見守り型の買い物代行サービスでノウハウを培ってきました。これまでのノウハウを活かし、配送時には、ご家庭ときめ細やかなコミュニケーションをとっています。

また、NPO法人フローレンスがLINEの窓口を担当しており、LINEを通じて、ご家庭が気軽に連絡を取れるようにしています。

こども宅食は、食品の配送が一番の目的ではありません。

食品の配送やLINEなどで、ご家庭の困りごとやニーズがわかった場合には、それぞれのご家庭に合ったサポート先につなぐことを目的としています。ご家庭の困りごとやニーズにいち早く気づき、サポート先につなぐことで、状況の悪化を防いでいます。

こども宅食を発展させるための様々な試み

2018年度は、数字では表せない様々な試みも行いました。

1つ目は、食品の梱包作業の効率化です。2017年度はボランティアの方々の力を借りて、食品の梱包作業を行っていました。2018年度からは、新たにコンソーシアムに加入したセイノーホールディングス株式会社に梱包作業を行っていただいた結果、初年度の約4倍の570世帯への食品をお送りすることができています。

2つ目は、ご家庭への野菜のお届けです。

こども宅食では、お米、調味料、レトルト食品、ペットボトル飲料、お菓子など、常温保管可能なものを中心に配送を行ってきました。

2018年度は、コープデリ生活協同組合連合会および生活協同組合コープみらいから野菜のご寄附をいただき、セイノーホールディングス株式会社が安全に保管してくれたことで、野菜のお届けもできるようになりました。また2019年には人参の配送を行った月もありました。

配送の際は、野菜とともに、調理に手間がかからないカレー粉を同梱するなどの工夫も行いました。

3つ目は、障害者福祉施設への食品小分け作業の委託です。

お米やレーズンは大袋で寄付をいただくので、小分け作業が必要となります。小分け作業は、適切な衛生管理のもとで行われなければならないため、食品の作業実績がある障害者福祉施設に委託しています。このことが、障害がある方の就労支援につながっています。

 

文京区こども宅食が2019年度に挑戦していること

利用世帯数と配送回数の増加へ

こども宅食の対象である、児童扶養手当や就学援助を利用している世帯は、文京区に約1,000世帯あります。

その中で、現在、こども宅食を利用しているのは、6割の約600世帯です。今年度もこども宅食の利用世帯を増やしていけるように取り組みを進めていきます。また、今年度は、給食がなく食費がかさむ、夏休みの時期に配送回数を増しました!

ご家庭へのサポート体制の充実

食品の配送やLINEでのやり取り、アンケート調査を通じて、ご家庭の困りごとやニーズが明らかになってきています。そこで、今年度はご家庭へのサポートを本格的に開始します。

今後は、ご家庭の困りごとをキャッチし、きめ細かくサポートを提供するために、LINE窓口のシステムの導入や、アンケート内容の改善などを目指しています。こども宅食では、LINEやアンケートで知った困りごとを元に、必要な情報のお届けや、必要な支援先をご紹介することに取り組んでいきます。

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