全国各地に徐々に広まっているこども宅食の取り組みは、団体それぞれの思いやきっかけで始まり、現在35都道府県で82団体が実施しています。
もともとの事業からこども宅食の必要性を感じた「子ども宅食KANON便」と、県の社会福祉協議会で取り組み、青森県内で複数実施されているこども宅食うちの一つ「青森こども宅食おすそわけ便」の活動をご報告します。
誰もが等しく住み慣れた地域で共に生きるというノーマライゼーション*の理念に基づき、2010年に特定非営利活動法人花音は設立されました。
障がい児通所支援を通じ、様々な家庭や子ども達との繋がりの中で、近年子どもを取り巻く環境が大きく変化していると感じる事が多くなりました。
7人に1人の子どもが貧困状況にあると言われており、私の住んでいる地域にも「生活は苦しいけれど、受けられる支援に自ら助けを求める事に抵抗がある」、「どのような支援があるか分からない」という家庭が存在する事を知り、法人として子どもの貧困問題の解決に向けたアウトリーチ支援に取り組んでいきたいという思いで「地域支援センターかのん」を開設し、こども宅食の活動を行っています。
*ノーマライゼーション:福祉用語の1つ。障害者や高齢者などがほかの人と平等に生きるために、社会基盤や福祉の充実などを整備していく考え方。
現在、こども宅食応援団・行政・地域の方々から食品などの提供にご協力頂きながら、食品や日用品を週1~2回ご自宅等へ届けています。
定期的な関わりを継続していく中で、子育てや仕事の悩みをお話してくれる方が増えてきたり、お子さんに直接お菓子を渡しながら話せたりする機会も増えてきました。また、お届けをきっかけにヤングケアラーと思われる子どもと繋がることもできました。
こういった取り組みを継続することで、さらに家庭と繋がり、信頼関係を築きながら必要な支援につなげていけたらと考えています。
今後の活動として、高校生のお弁当を持ってこられない子どもへの支援活動を行っていきたいと考えています。
コロナ禍で特に社会的に孤立しがちな子育て家庭を支援するため、青森県社会福祉協議会では、2020年11月に青森県で初めてとなる「こども宅食」を開始しました。
青森県社会福祉協議会が指定するこども宅食は現在、青森市、五所川原市、三沢市、八戸市の4地域で「こども宅食おすそわけ便」と名乗って活動をしています。
こども宅食おすそわけ便は、定期的に食品等を届けることにより孤立しがちな子育て家庭とつながりをつくることで必要な支援に結びつけ、小さな変化にも気づきやすい関係性を築くことを目的とするものです。利用を希望する家庭が申込不要または24時間申込できる体制で受付し、食品の受取は自宅への配送のほか、希望する指定場所を選べるように配慮して活動を行うことで、つながりにくい家庭と“つながり”続けることを目指しています。
青森市のこども宅食おすそわけ便は、2ヶ月に1回のペースで市内の社会福祉法人の施設やこども食堂等の様々な場所で食品の配布や、希望する家庭には宅配で食品を届ける取り組みを行っています。
配布する食品の確保については、生活協同組合コープあおもり、青森県民生活協同組合、La PANADERIA aomori、株式会社北日本吉野家、階上キューピー株式会社、みちのくコカ・コーラボトリング株式会社など多くの協賛企業さんに支えられています。
2022年3月27日に行った「こども宅食おすそわけ便」では、市内8ヶ所でフードパントリーや宅食を行い500世帯の方々に食品を届けることができました。
今回はATV青森テレビが昨年11月より「青森の未来へつなごう~こどもたちと一緒に地球のことを考えよう~」をテーマにSDGsに取り組んでいる一環で、子どもの支援として「おすそわけ便」へお菓子の提供をしてくださいました。
このように地域全体で子育て家庭を見守り・繋がり・食で支え、その先の困りごとについても相談しやすい地域づくりを目指して活動しています。
先日、NHKハートネットTVでこども宅食が特集されたり、社会科資料集や農林水産省発行の食育白書にこども宅食が掲載されるなど、子育て家庭を支える取り組みとしてこども宅食の活動に注目が集まってきています。
こども宅食応援団では、ノウハウの提供や資金や食品等の提供などを行い、こども宅食が全国に広がっていくサポートをしています。
この活動の資金は、みなさんからいただくふるさと納税によるご寄付に支えられています。
ご支援どうぞよろしくお願いします!
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