こども宅食応援団と認定NPO法人フローレンスは、特例認定特定非営利活動法人 フードバンク愛知、WeSupport Family運営事務局のオイシックス・ラ・大地株式会社と連携し、「夏休み給食便 ~政府備蓄米でこどもたちを支える~」プロジェクトを始動するにあたり、7/2(水)に記者会見を実施しました。このプロジェクトは、全国の困りごとを抱える子育て家庭 約1.2万世帯に、政府備蓄米合計12トンをはじめとした食品などを届ける緊急支援プロジェクトです。
物価高に加え、米の価格高騰と米不足を背景に、困窮する子育て家庭はさらに厳しい生活を強いられています。そのような中、給食の無い夏休みを迎える危機感に関心が集まり、沢山の報道関係者の方々にお越しいただきました。本プロジェクトを共同で実施する各法人の登壇者が、緊急支援の重要性を熱く語りました。

日本では、9人に1人の子どもが相対的貧困状態にあり、生活が苦しくても適切な支援が受けられずに孤立している子育て家庭が存在します。2023年以降の食料品の値上がり、今年の米価格の高騰と米不足を背景に、厳しい状況にある家庭はさらに追い詰められています。

実際すでに、夏休み前にも関わらず、こども宅食応援団のもとには、各地のこども支援の現場から、苦境を訴える声が日々届き続けており、夏休み期間にご家庭の見守りや食支援によるセーフティーネットを築くことが緊急的に必要です。
さらに夏休みは、給食が無くなり、学校の中で行われている見守りもなくなります。この時期に主食であるお米が買えないことで、こどもたちの栄養状態や家庭の安定が一層悪化するおそれがあります。こうした状況を鑑みて、従来どおりの支援では足りないという切迫感から、この7月に緊急支援を行うこととなりました。
平時から支援食品の融通を相互に行っているフードバンク愛知さんとWeSupport Familyさんにも賛同いただき、4法人共同で、全国の困りごとを抱える子育て家庭に対して緊急で政府備蓄米や食品をお届けする取り組みが、今回行う「夏休み給食便~政府備蓄米でこどもたちを支える~」プロジェクトです。
12トンの政府備蓄米に加え、寄付で提供いただく食品を活用し、全国合計 約1.2万世帯の子育て世帯への食支援を行う見込みです。

記者会見では、こども宅食応援団、フードバンク愛知より実際の支援現場の様子やご家庭から届いているリアルな声、WeSupport Family運営事務局のオイシックス・ラ・大地より民間だからこそできる支援について、フローレンスより官民双方での支援強化の必要性についてお伝えしました。
フローレンスの赤坂からは、取り組みの背景となる社会課題について述べ、こどもたちが夏休みを迎えるにあたり、生活が厳しい子育て家庭にとっては一層深刻な事態になるとの危機感のもと、今回の緊急支援が実施されたこと、困りごとを抱える家庭が取り残されないような社会の実現を、官民の垣根を越えて実現していきたいと述べました。

–いま日本社会で困窮する子育て世帯がある現状を、静かに、力強く訴えました
こども宅食応援団の原水は、今の日本では、苦しい状況にある子育て家庭の実態が気づかれにくい状況にあり、「こども宅食」というアウトリーチ型支援が求められている背景をご説明しました。

また、こども宅食応援団は、6月にこども支援団体に対して実施したアンケートで浮かび上がった、困窮する子育て家庭の苦境を紹介しました。アンケートの結果より、①食の選択肢の縮小により、「買える主食がない」状態であること、②食事の質・量の低下が起きており、「1日2食に減らす」「お米は給食だけ」「おかわりは我慢」など食の質や量の低下がが常態化してきていること、③保護者自身も空腹な中、将来への不安から、精神的な負担が増していることを伝えました。

記者会見当日には、各ご家庭へお届けする政府備蓄米が各地に到着しはじめており、各地の支援者から「これを持って、心配だった親子に持っていきます」と言った声が早速届いていることも伝えました。

–支援現場の様子を伝え、こども宅食に取り組む背景、本プロジェクトの意義を熱く語りました
困窮するひとり親家庭への食支援を行うWeSupport Familyを運営している、オイシックス・ラ・大地の大熊さんは、首都圏における困窮子育て世帯の状況として、支援を求めるご家庭の数は物価高の影響により増えている状況にあることを述べました。そのような中、本プロジェクトで通常より支援量を増やして支援を行うことの意義、主食のお米を支援するインパクトは大変大きいことを話されました。民間企業としてできることを最大限実施しながら、官・民が連携して、この緊急事態を乗り越える必要性を訴えました。

–官・民が連携することの重要性を述べ、改めて多くの企業がこのような取り組みに賛同いただきたいと語られました
フードバンク愛知の創設者、寺田さんは、支援を求める声が爆発的に増えている一方で、寄付の量が必要とされる量に追いついていない現場の様子を伝えました。支援した子育て世帯へのアンケートから、「こどもが満足に食べられない。体重が減ってしまう。」「コロナの時より、今が一番苦しいです。お米が高すぎて、本当に大変。お米の支援は、本当に助かります。」と言った声を紹介。本プロジェクトのような多団体による連携を通じて「安心して未来に向かえる社会を多くの方と一緒にむかえたい」と締めくくりました。

–支援現場でのアンケートから、ご家庭のSOSの声、悲痛の声の数々を述べられました
今回の緊急支援は、寄付や協賛という民間努力によって支えられています。困窮する子育て家庭が深刻な状況にある中、日頃からの関係性により食品を融通しやすい関係にあったため今回協働し「夏休み給食便」のプロジェクトが実現しました。
しかし、全国の経済困窮家庭に十分な食支援を実施するには、まだ食材も活動資金も足りていません。困りごとを抱える家庭が取り残されないような社会の実現に向けて、皆さまからも引き続き、温かなご支援をいただけますようお願い致します。
各法人の概要 (五十音順)
【オイシックス・ラ・大地株式会社】
オイシックス・ラ・大地株式会社は、「Oisix」「らでぃっしゅぼーや」「大地を守る会」の国内主要ブランドを通じ、安心・安全に配慮した農産物、ミールキットなどの定期宅配サービスを提供しています。子会社に、事業所、学校、病院などの給食事業を展開する「シダックス」、買い物難民向け移動スーパー「とくし丸」、米国でプラントベース食材のミールキットを展開する「Purple Carrot」などがあり、食の社会課題を解決するサービスを広げています。
また、一般社団法人RCF、ココネット株式会社(セイノーグループ)と連携して、ひとり親世帯を中心とした困窮家庭に向けた食品支援のプロジェクト「WeSupport Family」を2021年より運営。
https://www.oisixradaichi.co.jp/
https://wesupport.jp/
【特例認定特定非営利活動法人フードバンク愛知】
フードバンク愛知は、東海三県(愛知・岐阜・三重)を中心に、食品ロスになってしまう食材を、必要としている方へとお繋ぎしている団体です。困窮者、高齢者、幼児、災害の被害者、及び、困窮する実態に陥るおそれにある方々、並びに外国人留学生で生活に困窮する方々への支援を行っています。また、愛知県知事から認証を受けた特例認定NPO法人です。
支援に協力いただける企業様・個人の方と、支援を必要とする方を支える支援団体、双方とのつながりを広げ「だれも取り残さない社会」を目指していきます。https://foodbank-aichi.org/
【認定NPO法人フローレンス】
こどもたちのために、日本を変える。フローレンスは未来を担うこどもたちを社会で育むために、事業開発、政策提言、文化創造の3つの軸で、社会課題解決と価値創造をおこなう国内最大規模のNPO法人です。
2015年度に「小規模認可保育所」として国策化された「おうち保育園」をはじめとする保育事業、障害児家庭に保育や支援を届ける「フローレンスの障害児保育・支援」、こどもの虐待問題解決のため「フローレンスのにんしん相談・赤ちゃん縁組」、こどもの貧困を解決する「こども宅食」などの取り組みを全国に広め、たくさんの仲間と共に、社会に「新しいあたりまえ」をつくることを目指しています。 https://florence.or.jp/
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