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2024.12.24

クリスマスに届ける地域の温かな支援 「繋がりを持ち続けることが孤立を防ぐ」 長野県長野市 NPO法人えんまる「こども宅食えんまる便」

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2024年10月、こども宅食応援団は新たなビジョンとミッションを掲げました。 ビジョンは「すべてのこどものとなりに、ぬくもりを。」、ミッションは「今日を生きるこどもたちのために、多様な人々が手を携え孤立を生まない社会を創る」です。このミッションを形にするため、応援団はさまざまな取り組みを通じてメッセージを発信しています。
その一環として、11月の虐待防止月間から【#孤立を生まない社会】をテーマに特集記事の連載をスタート。地域のこどもたちに食事を届ける「こども宅食」の取り組みを紹介し、支援の大切さや地域とのつながりを伝えています。

今回は、「クリスマスに届ける 地域の温かな支援」をテーマに、クリスマスを通じた支援活動に注目します。2つの支援団体を取材し、それぞれの活動の中で大切にしている想いや家庭との心温まるエピソード、クリスマスイベントの様子をご紹介します。
長野県長野市で、こども宅食えんまる便」を実施する、NPO法人えんまる 共同代表理事 岩間 淳さん、岩間 千佳さん にお話を伺いました。

本記事が、「孤立を生まない社会」を考えるきっかけとなれば幸いです。

「助けて」が言えない親子に寄り添う 

NPO法人えんまるが「こども宅食えんまる便」を始めたのは、2020年。訪問型病児保育を運営する中で、「助けて」と言えない親子との出会いを重ねたことがきっかけでした。支援が必要な家庭が孤立しないよう、こども宅食をスタートしました。 

「こども宅食えんまる便の活動紹介記事」はこちらから→https://hiromare-takushoku.jp/2023/09/12/5872/

現在、「こども宅食えんまる便」は地域住民や行政の協力を得て、月に約60世帯に食品や日用品を届けています。2024年の状況について、代表の岩間さんは「物価高騰の影響で支援を必要とする世帯が増えています」と話します。えんまるが実施したアンケートでは、「物価高を受けて食料品の購入をあきらめたり、購入量を減らした」と回答した世帯が9割を超え、深刻な現状が浮き彫りになりました。

 

えんまる便アンケートより

クリスマスに届ける「特別な贈り物」

「こども宅食えんまる便」では、毎年クリスマスの時期には通常の食材支援に加え、特別なプレゼントを届けています。

2024年は、地域の方々の寄付で準備したクリスマスのホールケーキもこどもたちに届けました。「12月は街が華やかな雰囲気になるものの、生活が苦しく、こどもにケーキやプレゼントを買えない」と悩むご家庭も少なくありません。「プレゼントやケーキを通じて、地域の温かさを感じてほしい」と岩間さんは話します。

また、福岡市で活動するアーティストから寄付されたクリスマスリースもお母さんたちに届けられました。

クリスマスリースのプレゼントは、毎年行っています。


–お母さんに贈りたいと、福岡の方から届いたクリスマスリース 

「クリスマスリースは、お母さんたちへの贈り物です。普段、自分のために花を買う機会はなかなか無いお母さんたちにとって、リースは特別な存在になっています」と岩間さんは言います。リースを受け取ったお母さんたちからは「とても嬉しい」「昨年のリースと並べて写真を撮りました」などの声が寄せられ、活動の励みになっているそうです。

岩間さんによれば、お母さんたちからは「社会から見捨てられている」「一人で頑張らなければならない」といった声が寄せられるといいます。しかし、こども宅食を通じて、寄付や梱包、配送などで関わる人々の温かい思いに触れることで、「こんなにたくさんの人が私たちを支えてくれている」と気づくきっかけになっています。 

小さくてもいい。繋がりを持ち続けることが孤立を防ぐ 


–「えんまる便」のお届け品 お米や野菜 手軽に食べることのできる食品 お菓子 日用品など カゴいっぱいの品物をお届けします

岩間さんは、「人と人との繋がりを丁寧に広げていくことが大切」だと語ります。「一つひとつの繋がりが弱くても、できるだけ多くの繋がりを広げることで、孤立を防ぐ大きな力になる」との考えを強調しました。 

こうした取り組みを通じて、支援を受けたお母さんたちからは、次のような感想が寄せられています。

「ずっと一人で頑張らなければとやってきましたが、誰かに頼ってもいいんだと思えるようになりました」

「どうしても自分のことは二の次になりがちなところを、えんまるさんが寄り添ってくれ気にかけてくださってるおかげで少し気持ちが救われています」

「自分では買わない物が入っていたり、食べた事が無い物等もあるので、娘も一緒に宝物箱を開けるかの様に、キラキラしながら中身を確認しています」

–長野県立大学の学生さん手作りのバースデーカード    学生さん達は、毎月、こども宅食の梱包にも参加してくれています

また、えんまるでは、長野県立大学こども学科との産学連携での講義やイベント開催などの取組みを行っています。学内で「こども宅食は社会にとって必要な活動」との理解が拡がり、配送準備には多くの学生も参加するようになりました。(配送準備も大学施設内で実施) こどもたちの誕生日には学生さん手作りのバースデーカードが届けられ、それがこどもたちの励みになっています。

「どんな形でも良いので、みんなができる範囲で繋がりを持ち寄り、困っている人を支える社会を作りたい」と岩間さんは今後への意気込みを語ってくれました。 

 

えんまるさんのHPでは、12月の活動記事でクリスマスのお届けについて紹介されています。
こども達の笑顔いっぱいの記事です。ぜひご覧ください!

 12月の「こども宅食えんまる便の活動記事」はこちらから
https://enmaru.net/?p=3536&preview=true&_thumbnail_id=2978

 

 

取材・記事:薗部雄一

 

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