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本当の課題を早期に知り必要な支援につなげたい  NPO法人 みんなで子育てドロップス「ドロップスの子育てフードパントリー」  岐阜県恵那市

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NPO法人みんなで子育てドロップスは、岐阜県の南東部恵那市に拠点を置く子育て支援団体です。
団体設立19年目を迎え、子育て中のママやパパがホッとできるようにと、居場所作りやイベント、ファミリー・サポート、学習支援など、さまざまな子育て支援を行っています。
地域の棚田や、畑を活用した農業体験を実施するなど地域交流の拠点としての役割も担っています。

NPO法人みんなで子育てドロップスHP  http://drops.enat.jp/


――東濃地域木材流通センター「木point」にあるログハウスを活動拠点にしています


――棚田での農業体験

フードパントリーは、2020年、コロナ禍で疲弊する子育て世帯が増えていくことを目の当たりにしたことをきっかけに「子育てを支える仕組みを作りたい」という思いからスタートしました。現在の登録は約160世帯。毎月1回実施するフードパントリーでは約100世帯に食品などをお渡ししています。来所された方とのコミュニケーションを大切に行い、専門家による相談支援も実施しています。(児童相談所勤務経験者、精神保健福祉士、生活困窮者自立支援事業担当経験者がスタッフとして在籍)

地域や行政とも連携し、みまもりが必要な世帯への訪問支援も実施してきました。
現在の訪問世帯数は約15世帯。そのうちこども宅食 赤ちゃん便での訪問は4世帯で実施しています。

対面調査からみえてきた課題

ドロップスでは令和6年4月、フードパントリー利用者に対して生活状況を把握するための対面調査を実施しました。(対象者数:約80名)

フードパントリーは生活困窮者に限定せず、広く子育て世帯を対象として事業を実施していますが、今回の調査では利用世帯の約8割が経済的な困難を感じており、具体的には、『過去1年間に公共料金未払いの経験がありますか?』という問いに対して、あると答えた世帯が2割を超え、家賃の支払いにも窮する世帯があるという実情が見えてきました。その他、精神疾患や障害、引きこもりや不登校など、困りごとを複合的に抱えている状況も多くあり、多面的な支援が必要とされていることも分かりました。

また、対話をすすめる中で、周囲に知られたくない、家庭内の問題に踏み込まれたくないといった理由から、困りごとについてあえて語らない、支援を受けることに対して拒否感をいだいているという家庭も少なくないことも感じられたそうです。

これらの事から、潜在的に支援を必要としてる世帯が多くあるという実情にふれ、より深い関係性の構築と、しっかりとした相談支援につながるシステムづくりが重要と捉え、ドロップスではそのための施策づくりに取り組んでいます。


――「こども宅食赤ちゃん便」もスタートし、食品と一緒におむつや赤ちゃん用品もお渡ししています。

大切なのは、本当の問題を早期に把握して必要な支援につなげていくこと

理事長の駒宮さんは、「つながれない世帯とつながるその第1歩として、こども宅食は圧倒的な力があると感じている。訪問することで新たな関係性を築くことができ、多くの情報をお互いに知ることができる。世帯が抱える本当の問題を早期に知るために、今後こども宅食が必要となる。」とおっしゃいます。

困りごとは世帯により様々で、一見して事情を知ることができないことも少なくありません。訪問することで「困っていることの理由は何なのか」「困りごとを解決するためにどんな支援が必要なのか」を早期に把握することができるようになります。

また、駒宮さんは、こども宅食を実施していく中で「つながった先に何をするのか」という視点がこれからの活動に求められている。民間の力、弁護士や医療・福祉・保育などの専門職の力、地域や行政とも連携をして、様々な角度から寄り添うことが課題解決には大切と考えられています。

フードパントリー・ファミリーサポート・学習支援・居場所づくり、そしてこども宅食。様々な手段を活用して、多面的に親子を見守り、それぞれの家庭に寄り添い続けることを大切に、ドロップスの活動は、地域に根ざし拡がっていきます。


ーー棚田からの景色 今年も豊作です

 

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