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「ミルクや紙おむつがないので助けてほしい」――食をきっかけにつながること、一人ひとりの困りごとに寄り添うこと。全国のこども宅食の活動報告

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寒い季節になり、ふたたび新型コロナウイルスの流行が懸念されています。 

今年突如発令された新型コロナウイルス感染予防のための緊急事態宣言をきっかけに、3密を生まない見守り支援ができる「こども宅食」が全国で注目されるようになりました。

2020年3月にはまだ5地域9団体への広がりだったこども宅食ですが、現在、こども宅食応援団が伴走支援を行う団体は全国16地域29団体までに急拡大しています。

地域に密着し、各地で特色溢れる内容で実施されているこども宅食。

今回は、宮崎県・兵庫県・佐賀県の団体の活動の様子をご紹介します!

利用者が2倍に急増!――みやこのじょう こども宅食【宮崎県都城市】

まずは、今夏の豪雨被害を経験したばかりの宮崎県・都城市で2020年7月から新たに始まった「みやこのじょう こども宅食」のご紹介です。

10月21日は、高城・山之口・姫城地区の配送が実施されました。10月は、前月の9月より利用者も2倍に増え、総人数は70名となりました。

「生活が大変」と声をあげてくださる方のほとんどが頼るところや、相談できる環境のない方が多いのが現状です。

食品の配送を通して、お子さんの体操服や学生服などの学用品のお譲りや困りごとの相談を随時受けながら、地域の見守りや交流が生まれるよう、繋がりを作っていきます。

利用されている方からは「こんなに?って思うほどの量の食材にレシピまで!子どもたちもおやつを見て大喜びでした!」とお礼の言葉もいただきました。

>>みやこのじょう こども宅食の活動報告はこちら!

個々の家庭に合わせた支援を送る――フードバンクはりま【兵庫県播磨地区】

続いては、兵庫県のフードバンクはりまの活動についてです。

兵庫県姫路市、加西市、太子町、福崎町、神河町、その他播磨エリアで活動しています。


フードバンクはりまでは、地域で初めてのフードバンクを立ち上げ、利用する方の世代を問わず食糧支援を提供ながら「こども宅食」型の支援も行っています。

こども宅食事業としては、市のこども支援課や社会福祉協議会から繋いでいただいた子育て家庭に月に一回程度、見守りながら食品を届ける活動をしています。

10月には、「ミルクや紙おむつがないので助けてほしい」という母子家庭からの連絡を受け、急遽駆け付けて支援を行うこともありました。

また、60代の祖母・30代の母親・幼児の3人家族から、こんなSOSも。母親とお子さんには障害があるなか、祖母がストレスにより入院。突然、調理できる人がいなくなり困った母親が助けを求めてきました。こちらのご家庭には、すぐに食べられる物を持っていきました。

過去には、母子家庭のお母さんが急病により起きられないという連絡が入り、適切な病院を紹介し、事なきを得たこともありました。

仕事を探している人に、仕事を紹介することもあります。

フードバンクはりまでは、食支援と一緒にさまざな相談にのり、ご家庭が何とか、生活ができるように支援をしています。

アウトリーチのプロフェッショナルが感じる、食をきっかけにした支援の意味――さが・新型コロナこども緊急支援プロジェクト【佐賀県(全域)】

最後に、こども宅食応援団本拠地の佐賀県の活動のご紹介です。

アウトリーチ支援(※)のプロフェッショナルである、佐賀県の認定NPO法人スチューデント・サポート・フェイス(「S.S.F.」)が5月から9月に実施した「さが・新型コロナこども緊急支援プロジェクト」について、「とどける」「つながる」「つなげる」の実例を教えてもらいました。

(※アウトリーチ:福祉分野における「支援が必要であるにもかかわらず届いていない人に対し、行政や支援機関などが積極的に働きかけて情報・支援を届けるプロセス」のこと)

事例・・・元夫のDVが原因でひとり親として3人の子どもを育てるシングルマザー。子どもが不登校になるなど、他にも困難を抱えていた。

この事例では、こども宅食をきっかけとして、母親とS.S.F.の支援員との信頼関係を深めるきっかけとなり、その後、不登校状態だった子どもたちがS.S.F.の家庭教師方式の学習支援を受けることができるようになりました。

また、病気を抱え家を失っていた元夫に対しても、S.S.F.の総合サポートで居住支援が行われました。

様々な事情を抱える親子に対し、包括的な支援を提供しています。

S.S.F.の事務局スタッフのメッセージ:

「コロナ禍で、突然普段の生活ができなくなるという大きな不安の中、毎日を過ごさなければいけなくなってしまい、金銭的にも気持ち的にも余裕がなくなってしまう家庭が増えました。

今回の緊急支援プロジェクトによって、今までつながることができなかった生活困窮家庭ともつながることができました。

気持ちの距離を縮めるなど、信頼関係の構築を『食料』というツールが担ってくれたことにより、支援を円滑に行うことが可能になったと感じています。」

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食品をきっかけにしてご家庭とつながることや、定期的な食品のお届けでコミュニケーションを重ねていくことなど、こども宅食の仕組みが活かされたケースをお伝えしました。

こうした活動が日本中に広がっていくことで、全国の誰にも知られないまま困りごとを抱えるご家庭にサポートを届けられるようにすることが、私達こども宅食応援団の願いです。

こども宅食を全国に広げていくこども宅食応援団の活動は、ふるさと納税による寄付が原資となっています。返礼品の食品を選ぶついでに、困っている親子にも想いを寄せて、「社会を良くするためのふるさと納税」にもご寄付いただけましたら嬉しいです。

>>こども宅食応援団への寄付はこちらから

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