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【親子のつらいが見逃されない社会を目指して】駒崎弘樹 こども宅食サミット 基調講演

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こども宅食サミット基調講演 「親子の「つらい」が見逃されない社会を目指して」

   一般社団法人 こども宅食応援団 代表理事 駒崎弘樹

フローレンスとは

フローレンスのビジョン(目指す社会)は、「みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともに何でも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会」です。

「病児保育問題」「ひとり親問題」「待機児童問題」「障害児保育問題」「孤独な子育て問題」「赤ちゃん虐待死問題」など、時代の変化と共に様々な社会問題が生まれ、多くの親子を苦しめています。

少しずつでも、親子の笑顔を増やし安心して子育てできる社会を創りたい。そのために、一つでも多くの社会問題を解決していくのがフローレンスのミッションです。

Mission「親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決する」

これが、フローレンスの存在意義であり、使命です。今年フローレンスは15周年を迎えました!

文京区で始まった「こども宅食」について

 

こどもの相対的貧困率は、先進国ワーストクラス。こどもの虐待の報道もあとをたたない、親子領域の課題が山積する日本。

「こども宅食」は、2017年東京都文京区ではじまった、経済的に厳しいご家庭を対象に定期的に食品を届ける取り組みです。

食品のお届けをきっかけにつながりをつくり、見守りながら、食品以外の様々な支援につないでいきます。

 

  

 

こども宅食の成果

 

アンケート調査の結果、こども宅食の支援を受ける前と比較して、

気持ちが豊かになる、社会とのつながりを感じられるようになったなど、気持ちが前向きに変化した人は86%いらっしゃいました。

 

<ご利用家庭の声の紹介>

約一年の別居を経て、先月よりひとり親家庭となりました。二人の子どもを抱え、十年振りの復職に、不安が募る日々でしたが、都会の真ん中でもこういった取り組みが行われているということに、心強さを感じることができました。

 

配達の方が「何かお困りの事はありませんか?」と聞いてくださり、気にかけてくださる方々がいると思うと、とても心強く嬉しい気持ちになりました。

 

こども宅食のお知らせを見た時、思わず涙が出ました。周りの方々の助けがあって頑張れています。子どもを一生懸命勉学に励ませ、社会に恩返しできるように頑張ります。

 

※コメント部分装飾

 

「必要な支援が届いていない現状」を変えたい

 

つらい状況に置かれていても、声を上げられない、自ら助けをもとめられない親子がいます。

 

「つらいが言えない」親子は、行政が子育て支援サービスを用意して、窓口で待っていても現れません。

 

・自分が何に困っているか、はっきり分からない

 

・困っていることを、周りの誰にも知られたくない。見られたくない

 

・役所に行って嫌な思いをしたり、無力感を味わったことがあるので、行きたくない

 

・行く気になったとしても、役所に9時5時の間に物理的に行けない

 

・申請書を書けない。あるいは書くのに非常に苦労する

 

という状況で、従来の「困っているなら役所へどうぞお越しください」というモデルでは、そうした人たちをとりこぼしてしまいます。

 

そして、困っている人の困りごとがものすごく大きくなったり、虐待死や自殺、暴力事件や事故などが起きてからでないと気付くことができず、その時には手遅れか、介入に非常に大きな労力がかかるようになってしまうのです。

 

こども宅食が行っている、新しいアウトリーチの形

 

こども宅食は、食品を家庭に届けるだけの事業ではありません。

 

食品を持っていく「こども宅食」という形にしたのは、工夫の結果です。

 

普通にアウトリーチ(※)をしようとしても、例えば行政の人が「こんにちは、ちょっと話を聞かせてください」と家までピンポンと来ても、驚いてしまいますし本当に困難な状況にある人は、「来てくれてありがとう」とは中々思わないものです。

(※)アウトリーチとは、福祉分野では、「支援が必要であるにもかかわらず届いていない人に対し、行政や支援機関などが積極的に働きかけて情報・支援を届けるプロセス」のことを言います。

https://outreacher.ova-japan.org/definition-of-outreach/

 

それどころか、「怖い」「子どもを取り上げられてしまうのではないか」「面倒くさい」と拒否したくなってしまうわけです。

 

ただ、美味しそうな食品を、笑顔で、近所に知られないようにしながら定期的にお届けする仕組みは、「会うインセンティブ」を提供できます。またその仕組みを通じて、信頼関係が築かれ、行政情報や支援も受けやすくなるのです。

 

こども宅食を全国へ

 

2018年秋、こども宅食応援団は、佐賀を拠点に設立し、こども宅食事業は文京区の実例をもとに、現在佐賀、新潟、長崎、宮崎等に広がっています。

 

どの地域にも共通しているのは、強みを活かして社会課題の解決をめざす「コレクティブインパクト」であることですね。世帯数の規模や、団体の構成はちがっても、地域の複数団体が協力して成り立っているのが特徴です。

 

文京区で培った「こども宅食」事業のノウハウを各地域で実施していただき、各地でブラッシュアップしていただき、さらにそれを見た他の地域でこども宅食が立ち上がると良いなと考えています。

 

地域によってアレンジ、進化したモデルが展開されているので、詳しくはこのあとの勉強会で各地域リーダーにお話頂ければと思います。

 

事業の進展とともに見えてきた課題

 

進展や成果も出せてきている一方、課題も見えてきています。

今日お越しになっている事業者の方々も、もしかしたら食品集めにご苦労されている方もいらっしゃるかもしれません。

また、世の中に対してしっかり意味のある、価値有る事業と認めてもらうためには、アンケートなどでニーズやご家庭の変化をデータ化をするなど、成果を定義して見える化するのが必要です。

 

あるいは、まだ制度になっていない事がとても大きな課題です。日本の福祉制度にこども宅食の運営において活用できる制度がまだ生まれていないので、現状は寄付でご支援を募りながら活動するしか無いのでえす。

 

こうした課題を、どうやって政治や行政に訴えていくのかも私達のテーマです。

 

親子のつらいが見逃されない社会をめざして

 

子育てしていると、大変なことがたくさんあります。

未来をともにする皆様と一緒に描いていきたいなと思っています。

 

色々なつらいことは、たくさん有ると思います。

そんな時に、見逃されないで手を差し伸べる、困ったときは、大丈夫だよ、と救いがあるような社会にしていきたいと考えています。

こども宅食のような形で、様々なものを持ち寄って、支えになってくれる、そんな懐深い、温かい社会を皆さんで一緒に作っていけたら良いなと思います。

 

クロージング:ふるさとチョイスCV誘導文と画像

 

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